父、孫悟空にそっくりだと言われていた悟天が髪を切った。いわゆる最近の若者風になった悟天は思春期らしい少年から青年へと進んでいるわけで、それを理解するものもあり、少し勿体ないと思うものもいる。
「お母さんは前で、兄ちゃんは後ろだね」
「へぇ、なんか意外だな。悟天のお母さんって悟空さんのことすごく好きだから悟空さんそっくりな悟天はそのままでいてほしがるかとか思ってたよ」
西の都、カプセルコーポレーションのトランクスの部屋。部屋の主であるトランクスから渡された清涼飲料水を遠慮なく受け取る悟天は、ハイスクールからの帰りの寄り道中だ。
「兄ちゃんが父さんっ子だったから、僕が生まれる前の色々で父さんに似てる僕に色々思うところあったんだろうってお母さんが言ってた。反対にお母さんは父さんによく似てるけど、別の人って根っこから分かってるって感じだったみたい」
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