君の名を呼ぶ 「呼び方を変えませんか!?」
それは、俺が雪村君の実家にて共に診療所を営み始め落ち着き始めた頃のことだった。
「呼び方、というとーー…」
「私は…山崎さんの何ですか」
「何って、…君は俺の大切な人だ。君を誰よりも愛していると自負できる」
「!だ、だったら…その…千鶴って呼んで欲しいです!…私も山崎さんのことは大好きです。でも、いずれ夫婦になるんだとしたら、そうした方がいい気がして…」
自分自身、変える時期を逃したと思っていた。だからこそ雪村君に言わせたのは申し訳ないと思いつつそう思っていたのは自分だけではないのかと喜びが俺の中に広がる。
「雪村君……いや、千鶴」
「!」
「君に言わせてしまってすまない。だが…俺は嬉しい。君が同じように思っていてくれて…」
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