宝玉風の強い日だった。
リンクは日中ずっと体調がすぐれず、激しい気分の落ち込みで布団から起き上がれずにその日を過ごしていた。
今、夜になりおれが風呂から上がってきても、リンクはつらそうにベッドの上で布団を被り横になっていた。辛うじて風呂には入れたものの、それ以外の時間はこうして横になっている。
「リンク」
ベッドの、リンクの隣の空いたスペースに座りながら呼びかける。窓の外では風が鳴り、窓ガラスをカタカタと鳴らしている。
リンクはおれの呼びかけに反応して、眉間に皺を寄せ枕に頭を押し付けたまま目を動かした。
「吐き気はある?」
質問すると、リンクは黙って小さく首を横に振った。ふうと息を吐いて余計に枕に頭を押し付けている。
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