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    comeco

    @happyota2

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    銃三が主。たまにさまさぶ、帝独、D4

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    comeco

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    銃三
    オメガバース

    いちゃいちゃ 『運命の番』
     『恋人』
     『プロポーズ』
     いきなり降って湧いてきて消化できずにお風呂に逃げた。『運命の番』はやっと受け入れた。だから銃兎の家ここにいるんだし。発情期は終わった。もう理性で本能を抑えられないほどの衝動は起きないだろう。
     ただ理性的なはずな思考の中にふわっとした「好き」という感情がふとした瞬間に現れるようになってしまった。

     だってカッコいいって思っちゃうんだ……
      
     お湯の中で反芻するのは運転している時の横顔だったり、二人で夕飯を作っている時に見た真剣な表情だったり、僕が茶化した後の拗ねた顔だったり。全部見たことのない初めての顔だし、多分他人にはあまり見せない表情だと思うから変な優越感も覚えてしまう。
     
     バカだろ、僕。
     
     身体を見てもなんの跡もついていない。最中の事は正直覚えていない。目が覚めた時はお尻や腰が痛かったり、足がガクンってなるからセックスしたんだってなんとなくわかるけど、血が出ているとか傷が残っているとかいう事はなくて見た目としては何も変わっていない。本で読む情事では独占欲の証をつけて、なんて書いてある(詳しくはなんの事かよくわかんない)けど、なんか跡のつくような事をするんだろうか。それは本の中だけの話で演出としての描写なのかもしれないけど。
     
     のぼせる。あがろう。
     
     逃げたってどうせ無駄。わかってるから時間稼いだだけ。恋人同士って二郎が読んでるラノベでは無闇矢鱈とベタベタしたりキスしたりするけど。
     
     ……いや、それはいいや、しなくて。
     
     僕が風呂から出るとリビングで何か書いている銃兎。
    「なにしてんの?」
    「ん?ああ最近左馬刻にばっかり曲書かせてるからたまには俺もと思って少しな」
    「ふーん」
    「あ、またお前ちゃんと乾かしてこないのか」
     タオルで軽く拭いた髪はまだ濡れているけどいつものことだから気にしてないんだけど…また、ってなに?
    「乾かしてやる」
    「え⁉︎いいよ」
    「なんでだ。昨日はやってぇ。ってドライヤー持って来て言ってただろ」
     銃兎は平然と言うと洗面所にドライヤーを取りに行った。
     
     僕、そんな事言ったの⁉︎
     ちょっと!発情期の僕、しっかりしとけよ‼︎
     
     覚えていない間に自分がなにをしでかしているのか。銃兎は僕を座らせると熱風を髪に当て始める。自分でやるって言ったけど「面倒なんだろ。座れ」と言われ、もう見透かされているならと大人しく体育座りをして顔を膝に突っ伏した。
     
     髪乾かすのめんどくさいとか言ったのかな。
     もー…赤ちゃんみたいじゃん。
     
    「ほら、顔上げろ。前髪も乾かすぞ……ってなんで真っ赤になってんだ」
    「な、なってない!早く乾かせ‼︎」
     
     銃兎はやれやれというような顔をしつつ前髪にも熱風をあてて髪はどんどん軽くなっていく。髪を梳くように撫でられそれも心地よくふわふわした気分になる。
     全部乾くとドライヤーのコードをまとめながら「さて、これを片付けがてら俺も風呂入ってくるか」と部屋を出て行った。
     
     めんどくさがりなのも甘えん坊なのも泣き虫なのも自分でわかってる。絶対表に出さないように頑張ってるはずなのに。発情期ってそういうの全部出ちゃうってこと?そんなの見られるんだったら番解消したい……
     
    「おやおや。俺が風呂に入ってる間に何があったんだ」
    「へ?」
    「なんか落ち込む事があったか?やっぱり帰りたいか?」
     
     銃兎が僕の頭を撫でる。優しい匂いが僕を包む。甘えていいよって言ってくれてるみたいな。僕の目から何故か涙が溢れてきた。銃兎は僕をギュッと抱きしめながらゆっくり背中をさすってくれる。僕を包み込む優しい匂いと温かい体温を感じながらわんわんとみっともなく本当に子供みたいに泣いてしまった。ヒックヒックと引きつけを起こしたみたいになって恥ずかしくてなかなか顔を上げることができない。
    「も、やだ……」
     やっと出した言葉。銃兎の匂いは僕をさらに優しく包む。何を言っても何をしても僕を否定しない。
    「まあ、初めての事ばかりだからな。俺は警察官だからクソガキの相手は嫌ってほどしてきたし、多少の事じゃ動じないから安心して寄っ掛かっておけ」
     言葉は優しくない。漂う空気はこれ以上ないくらい優しい。
    「……くそガキじゃ、ない……」
    「やっと顔、上げたな」
     そう言うと軽く僕の唇に銃兎の唇が触れる。
     
     え、キス?
     へ?
     え?
     
    「反応遅いな。なんでひと呼吸おいて赤くなるんだ。こっちが恥ずかしいだろ」
    「…………」
     不意打ちなんてずるい。
     文句すら口から出てこないくらいの動揺。
      
    「なあ。この韻の踏み方天才的だと思わないか」
     銃兎はリビングのテーブルの上にある紙を指差して何事もなかったかのように話し出した。
     僕の心臓はまだドキドキが止まらない。
    「はあ?どれだよ」
     悟られないように平静を装う。
     何故だかフッと軽く笑われた。
     
     
     いつか二人で曲が作れたら楽しそうだなと思う。
     どうせバトルにしかならないだろうけど。
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