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    rukaraimu

    @rukaraimu

    モモバン、バンモモ、ユキバン、バンユキが大好き
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    rukaraimu

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    新曲🌹🪓のユバちゃん
    Twitterにだけ載せてたの原文出てきたから置いておく

    新曲ユバ妄言

    「おい、来る時は事前に言えっていつも言ってるだろ」

    「そうね」

    「おまえな…」

    見慣れた白髪が玄関先にいるのを見つけて思わず小走りになる
    セキュリティー面は程々に担保されているところを選んだとはいえトップアイドルを呼ぶにはいささか以上に不十分なこの家に出来れば来てほしくないと再三伝えているにも関わらずどこ吹く風なこの男に何度目かの説教をする

    「怒るなよ、すぐ帰るから」
    「…?千おまえ…」

    いつもであればふてぶてしい態度で返してくるはずの相手からの拍子抜けすぎる返答に「何かあったのか」と喉元まで出かかった言葉を飲み込む
    何かあったのかと聞けばきっとこの男は断片的にでも話してくれるだろう
    しかし今の千にとっての「何か」はRe:valeに関することに違いなく自分はもうそれに関して寄り添うことは出来ないし、しないそう決めている
    だから聞かない
    で、あればこのまま追い返すのが正しい、それが今の千と俺の正しい関係性だ


    「はぁ…とりあえずこんな所にいられたら邪魔だから入れよ」
    「…追い返さないの」
    「追い返されたいのか?」
    「いや…」
    「じゃあさっさと上がれ、こんなところパパラッチに撮られてゴシップ雑誌の一面を飾るのは御免だ」
    「ふふ、Re:valeの千、長髪美女とお泊まりデートって?」
    「言ってろ」


    …そう頭では理解しているのに真逆なことをしている自分に内心苦笑いをする
    一瞬どうしようもなくあの頃の不安定なあいつに重なって見えてしまったから、そう見えてしまったらその手を離すことなどできなかった
    冗談を言って笑うこいつの姿にひどく安心してしまう自分がいることに気づき相変わらず俺は千に甘いなと何度目か分からないため息を自分についた


    ──…

    「晩御飯は?」
    「少しだけ食べた」
    「あっそ、まあ2人分なかったからいいけど」
    「へぇ食べてなかったら作ってくれるつもりだったんだ?今日なんか優しいね」
    「追い出すぞ」

    全くと呆れながら徐々に調子を取り戻しつつある悪友に飲み物を出すとふと肩に何か黒いものがついていることに気づき拾い上げる

    「なにこれ?花弁…?」
    「あ…そう…撮影で肩に薔薇がたくさんついた衣装着たからそれかも…」
    「ふーん?というか着替える時に気づけよな、いい歳こいた男がお花つけてるとか…はは」
    「失礼な、モモは大喜びしてくれたよ」
    「百くんはおまえに関してはそうだろ」
    「そうね、モモはどっかの誰かさんと違って僕のこと大好きだから」
    「はいはい、拗ねるなよめんどくさい」

    拾った花弁を何となくくるくると手で遊びながら向かい側の席に座ると千がぽつりと呟くように話し始める

    「万はさ…僕が吸血鬼だったとして、僕に血を吸われて僕と同じ化け物にならなきゃ死んじゃうってなったらどうする?」
    「は?吸血鬼ってあの血を吸う?おまえが?」
    「そう」
    「いやそもそもおまえに噛まれるとか最悪!絶対嫌!大体おまえ加減なしで噛んできそうじゃん、絶対痛いしその上で『なんか不味いね。いいもの食べてないの?』とか平気で最低なこと言ってきそう」
    「ふっ…はは、なにそれひどすぎない?」
    「だってそうだろ?おまえ絶対そういうやつだよ」
    「そうね、でもそういう返しが来るとは思ってなかった」

    なにがそんなに面白かったのか分からないが涙目になるほど爆笑する千に冷ややかな視線を向けつつお茶を飲む


    「あー笑った」
    「それはよかったな…」
    「うん、じゃあ怪物になって僕と永遠の時を生きるかそのまま死ぬかの選択肢だったら…?」

    先ほどからの突拍子も無い例え話に頭痛がする気がしたがふざけた話の裏に何かがあるような気がして、何かの心理テストか?とあえて冗談混じりに返しながら言葉を思案する

    「…何の例えで話してるか知らないけど、おまえのパートナーは百くんだろ、だから永遠に一緒にいるなら百くんだよ」
    「そこは一緒にいるっていうところじゃないの」
    「ばーか、俺はそんなに優しくないよ、
    でもそうだな…数百年後に百くんに愛想つかれてたらその時は一緒にいてやるよ」
    「それってつまり…いや、万はやっぱり優しいね」
    「今頃気づいたのか?」
    「うん、万が万でよかった」
    「なんだそれ」

    徹頭徹尾何の話をしているのかはさっぱりだったが玄関先で見た時よりも幾分か顔色がマシになっているところを見るとどうやら正解の回答を言い当てたらしい
    元気になったなら帰さなければと立ち上がって帰宅を促せばやっぱりお腹が空いたから晩御飯が食べたいとわがままを言い出すこの男の頭を引っ叩き「帰れ」と言いながらも足はキッチンへと向かっていた

    やっぱり俺は千に甘い
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