ただいまと言って鍵を開ける 玄関の鍵を開けて冷たいドアノブをひねって引くと、大事な人が顔を出す。
おかえりの声を聞きながら靴を脱ぐ。
夕飯の匂いを嗅いで献立を当てて、手を洗って服を着替える。
お酒は? と聞かれて今日はもらおうかなと言うと冷蔵庫を開ける音がする。
配膳をする物音、台所とダイニングテーブルを行き来する足音、お風呂後でよかった? と聞かれてお腹ぺこぺこだよって答える。
席につく、2人でいただきますを言う。
おかずに箸をつけて夫婦茶碗からご飯を食べる。少し疲れてる体に味の濃いおかずはありがたくて、ビールを飲んで口に付いた泡を指先で拭う。
今日はさ、と切り出す他愛無いおしゃべり。
なんてことのない些細なトラブル、ちょっと大きな誰かの感動を共有する。
食器を片付けてもらう間にお風呂を沸かす。
一緒に入る? って聞くと笑う声がする。
2人でちょっとだけ触り合って、続きはベッドでって言いながら我慢できなくなる。
濡れた肌でくっついて、息も絶え絶え。
結局ベッドでもう少しじゃれあってパジャマを着て横になる。疲れてしまって今度は喋らない。おやすみと言ってあかりを消す。
明日のことを考えてるうちに寝息が聞こえてくる。寝顔を少し眺めてから目を閉じる。
朝が来る。目覚ましが鳴って、あくびをしながら起き上がる気配を感じながら目が覚める。
朝ごはんを食べて、身支度をして、いってきますと言って家を出る。