いつも夜になるとカーテンを靡かせながら窓辺に座る人影が。
こんにちは、さようなら悪魔さん
「今日は雨なのにそこにいたら濡れない?風邪引くよ」
「いえ、大丈夫です。」
「えー、でも雨が窓から入ってくるんだけど」
「カカ、じゃあオレちゃんが窓になってあげますよ」
ギリギリまで窓を閉めるとブラックがすっぽりそこに入る。
内心カーテンでよく見えない顔を見ようとしていたさとしは落胆し枕の下の方にずるずると下がる。
「もう、顔を見せてくれたっていいじゃん」
「それは無理ですねえ、だってオレちゃんの顔をみたら取り返しのつかないことになっちゃいますから」
「ジージジ」
カーテンのシルエットから小さなカメラのような子がぐるぐるとブラックの周りを回る。その子も顔を見せてくれない、不思議。取り返しのつかないことってなんだろう、呪われるのかな。
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