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    せり@グノ専

    @selisu_0911

    グノーシア/レム主展開用アカウントです
    ⚠️オリ主・夢

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    せり@グノ専

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    ⚠️オリ主 レム主♀です。

    ノマエン後のグリーゼ前提、付き合ってない時空

    ##グノーシア
    ##レム主

    たかが色程度と 他星系から取り寄せられた、珍しい水色の花。
     そういえば彼女の目もこんな色をしていたっけ、と思い至った。
     ――でも後先も考えずに購入してしまったのは完全に浮かれていたと思う。

    「だからって、こンなところに飾らないでくれる?」
    「し、仕方ないじゃ、ないですか……!」
     応接室のテーブルに花を飾った。わざわざ花瓶まで買ってきて。
    「定期的に来客も、ありますし……応接室に花が、あったって……」
    「フン、『客』ねぇ……相変わらず面倒くさいよね、君」
     苦しい言い訳だと分かっているけど、どうしようもない。本人に贈るわけにはいかないのだから。

    「――あれ? 珍しいね。なんかのお祝い?」
    「! スズ、さん……!」
    「お疲れ様。どうしたのこの花」
    「お疲れ様、です。……その、これは……あの、」
     説明できることは何もない。どうすればいいのか。
    「レムナンが気まぐれで買ってきたンだ」
    「良いんじゃない? 華やかで。ここ、ちょっと殺風景だし」
     何事もなく会話が流れて、胸を撫で下ろす。

    「あ、やっぱりこの花見たことある。俺の故郷では紫色なんだ。――レムナンの目と同じ色だね」

    「……え」
    「なに?」
    「っ! いえ…………」

     なにって。
     そんな、僕が散々ごまかした理由を日常会話みたいに。……スズさんに他意はないみたいだ、本当に。

    「本当にまどろっこしいよね、君達」
     見ているだけで頭痛がするよ、まったく。……ラキオさんがため息をつきながら言ったのを聞きながら考えている。

     僕は、花を見て貴女を思い浮かべました、なんて決定的な言葉を吐き出すわけにはいかない。そう思っていたのに。
     ……でも彼女がこの様子なら手渡せたのだろうか、目の前の花を。
     日常会話みたいに。
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    せり@グノ専

    DONE⚠️オリ主 レム主♀です。

    ノマエン後のグリーゼ前提、付き合ってる時空
    祝ホワイトデー

    ↓こちらはバレンタインデー
    https://poipiku.com/8785235/9892665.html
    一輪のデルフィニウム「ホワイトデーはどうだった? 二人でホテル最上階の展望ラウンジでご飯? それとも自家用ジェットクルーズ?」
    「…………一応、聞くけど。それってレムナンの話?」

     ――もちろん。当たり前でしょ。リーダーはスズ君のためならなんでもするから。
     彼女達が口々に肯定の意を示す。ため息のひとつもつきたくなる。
     元革命軍の人達から見た私達は……時々、映像作品の主人公達か何かと勘違いされているんじゃないか、そう思うことがある。レムナンは一体この数年のグリーゼ生活でカリスマ性をどれだけ培ったのか、ホワイトデーのお返しにしては過剰なほどの期待されぶりだ。

     バレンタインデーから一ヶ月。
     先月は「食べたら……なくなる、ので……」と渋るレムナンに日持ちしない箱の中身をどうにか消費させるのに忙しかった。いつまでも冷蔵庫に保管しようとするから、日が経つと味が落ちるとか、食べるためにあるんだからとか、何ならこれが最後じゃあるまいしまた作れるからとか、説得するのが大変だった。
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    DONE企画4本目、加糖さんよりご指名頂いた黒田で、『分け合いっこ』です。豪快さと可愛さの合わせ技、黒田君はいろんなものを何の気なしに分け合ってくれるような気がします。多分他意はないんだ……あるって言って!
     リクエストありがとうございました!
    太陽の共食い 薩摩藩上屋敷は夏真っ盛りだった。縁側をみっしりと埋め、前庭に敷いた筵一面に広がる夏の成果に、黒田清隆は目を疑った。江戸に来てから久しいが、このような異様な光景に出くわすのは初めてである。
    「西瓜……だと?」
    「その通りだ、黒田」
    朋輩たちがわらわらと興味本位で群がる様に呆然としていると、のっそりと大きな影がさした。いついかなる時も沈着冷静な人は誰であろう、大久保利通である。流石に彼ならば事情を知っているに違いない。こちらの困惑を見て取ったのだろう、利通は淡々と続けた。
    「篤姫様が、暑気払いにと御下賜されたのだ。京の都から取り寄せたらしい。……一人一つだ!欲張るでないぞ!」
    「承知しもした!」
    すかさずちょろまかそうとした輩がいたのだろう、利通の一喝ですぐさま場の空気が引き締まる。確かに、薩摩の暑さに比べれば江戸の夏など可愛らしいものだが、暑いには変わりない。西瓜のみずみずしい甘さは極上に感じられるだろう。篤姫も小粋な計らいをしてくれたものだ。
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