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    uosan09

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    火弓リョ

     初めてその身体を抱きしめた時のことを、火野はあまりよく覚えていない。ネットで見つけた連携プレイがキまって弓倉の一撃が豪快にゴールネットを揺らし、「やったな!」とよくある試合中の抱擁をした時だ。
     あれからどれくらい経ってからだろうか。おそるおそる抱きしめた人の身体がやけに華奢に感じて、これは本当に弓倉なのか?と疑ったことは記憶にある。都合の良すぎる幸福な現状を怪しみ、いいのか?本当にいいのか?、と繰り返し浮かぶ疑問が両腕から伝わっていたのだろう。弓倉の方から「リョーマ……もっと強くていい」と要求され、暴走寸前の欲望のまま「好きだ」「好きだ、弓倉」と何度も熱情を口にし溺れたことは、思い出しても恥ずかしい。
     なんて昔をつい振り返ってしまうのは、今が幸せな証拠なんだろうな、と火野は真新しいシーツに横たわせた身体に残る弓倉のぬくもりを噛みしめつつ、隣ですやすやと寝息をたてる人の顔を愛おしげに見つめた。
    「……まったく、かわいい寝顔しやがって」
     その弓倉を、ギュッと抱きしめる。一糸纏わぬ腰に左腿をのせて体重をかけ、がっちりとつかまえる。直接触れ合う肌と肌が気持ち良く、ますます有頂天な気分になる。
     ああ、好きだ、こんな風にいくらでも抱きしめていられる日がくるなんて。
    「リョーマ……重い……どけ」
     とんだ口ごたえを浴びても、それすらもくすぐったい。もちろん、火野は脚をどかさすもっと強く弓倉を羽交い締めにしてみせ、耳元でとびきりの愛の言葉を囁いた。
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