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    satonaka_traum

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    satonaka_traum

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    映画のパッションが抑えきれず
    別垢の再掲です
    なんでも許せる人向け
    現代学パロ謎時空

    #銀魂
    silverSpirit

    転生して誰とも会わず高校教師になったら副担任になったクラスに前世で結ばれることは無かった男とそっくりででも名前は少し違う男子生徒がいた的な
    な。
    どうやら一目惚れされたらしく初日からすごい絡まれる。誕生日とか学生時代のこととか恋人の有無とか。当たり障りない程度に答えていたら、どうしても前世がチラついてしまう。
    今までは前は前だと分けて考えられたのに、この男のせいでどうも上手くいかない。別の人間だと思えない。それが彼にとってもあいつにとっても、酷いことをしているとわかっていても。
    幸い本人にも周りにも気づかれていないみたいだ。若い女性教師にありがちなやんちゃ系人気者系に絡まれているだけだと思われているらしい。私にとっては好都合ではあるけれどよくあるからと誰も助けてはくれない。
    そんな折、別のクラスの、授業を持っていない男子生徒から声をかけられた。前世の異名で呼ばれたから驚いたけれどそれもそのはず、そこに居たのは坂本辰馬だった。
    前世のことを話せるのが嬉しくて、よく話すようになった。
    授業準備室、というのがあって、そこに生徒は遊びに来てくれる。辰馬も、あの子もそう。でも、最近あの子は来なくなった。飽きてしまったんだろう。私もよくわからんクレームをつけられずに済むけれど、やっぱり少し寂しいところはある。
    「ほいたらのぉ、わしはどうじゃ?」辰馬にぽろっとこぼしたら、そう返された。
    「おりょうちゃんがいるでしょ」
    「そりゃぁそうじゃが、今は今やき。のう、いかんか?」
    「いかんちや」
    「……忘れられんのか」
    「うん。ごめんね。あと私今教師だから」
    「卒業したらえいじゃろ?」
    「よくない」
    へらへらわらって辰馬は出ていった。あいつのことだ、どうせあの子を焚きつけに行くんだろう。なんだかんだ言って面倒みはいいし優しくて裏で手を回している、アホだけど腹黒い食えない天パだ。そういう所が特に好ましいんだけど。
    しばらく私のペンの音と紙の音だけが部屋に響く。
    控えめなノックのすぐあとに、ドアを少し乱暴に開け閉めする音がした。ドアの方を見ると俯いてたっているあの子がいた。
    「どうしたの?せめて返事してから入ってきてよ」
    「辰馬とニャンニャンしてたの隠すためか?」
    「なーにをいうの急に。学校だよここ」
    「んなもん関係ねぇだろ」
    「あるっての……座りなよ」
    「なぁ」
    「なに?」
    年季の入った黒革のソファに背中をぶつける。押し倒されたのだと気づいた時にはあの子の顔がすぐ近くにあった。
    「俺じゃダメなのかよ」
    「辰馬になに言われたの」
    「なんであいつは名前で呼ぶんだよ」
    「……昔馴染みだからね」
    「ンなこと言われたら俺の入る隙ねぇじゃん……なぁ、俺じゃダメなのかよ」
    「ダメも何も、辰馬とは昔馴染みなだけ。何も無いよ」
    「俺にはさ、なんにも話してくれねぇんだな」
    「授業には関係ないじゃん」
    「知らなきゃ授業に集中できねぇよ」
    「知っても出来ないでしょ」
    「うっせ……なあ、そんなに昔の男が忘れらんねぇのかよ」
    「うん……おかげで今まで独り身だよ」
    「へぇ?ヴァージンなわけね」
    「アホか。はい気が済んだならどいて」
    「済んでねぇよ……聞かせてくれよ、その男の話。そいつ超えられるようになるからさ……なあ」縋るように、私の首にすり寄ってくる。このへたくそな甘え方も同じだ。
    「そいつと君を重ねたくないの」
    「ってことは似てるところあるんだな」
    「そーね。違うのは名前とかくらい?生意気なところもそっくり」
    「ってことは相当いい男だな。そりゃ忘れられねぇなあ」
    「バカ言ってないで早くどいて」
    「イヤ。なあセンセ、ずっと独り身ってことはキスもしたことねぇんだよな?」
    「無理矢理は法的にも倫理的にも宜しくないからやめなさい」
    「嫌なのかよ」
    「イヤ」
    「ハッキリ言うなよ傷つくじゃん」
    「とりあえず手を解放しなさい」しぶしぶと言ったように手首が解放される。少し赤くなっているけれど痛みはない。こういうところも変わらないんだなあ。
    開放された右手でくしゃりと頭を撫でる。目の前の子は目を丸くしていた。
    「答えを直ぐに求めないの。確実に手に入れたいなら、外堀を埋めてじわじわと追い込みなさい。ちゃんと自分におちるように長い時間をかけるのが一番いい。もちろん法的にも倫理的にも問題ない方法でね」
    「じゃあさ、ちゃんとやったらセンセはちゃんとおちてくれんのか?」
    「答えを直ぐに求めないって言ったでしょ。まあそれは君の腕次第かな」
    「頑張るわ」
    「うんうん」
    「センセ、俺嫉妬深いからさぁ」頭を撫でていた右手にキスをされた。「あんま妬かせんなよ、悪ガキで有名なんだ、俺」
    「ホントに悪ガキだわ」デコピンをして体を起こすと、そのまま膝の上に乗せられて向かい合わせになる。
    「おろしなさい」
    「まあまあ……ちょっとだけ、な」そう言って少し強く抱きしめられる。
    「はいちょっと経った降ります」
    「ケチ!」
    「うるさい私が学校から消えていいの?」
    「……よくない」
    「聞き分けのいい子は好きだよ」
    「そう言ってれば俺がなんでも言うこと聞くと思ってんのかよ」
    「少なくとも聞き分け悪いと靡かないかなぁ」
    「ズリぃぞそれ!」
    「大人はずるいものなんだよ」
    卒業するまできっと口説かれ続けるんだろう。私はこの子とあの男を重ねないでいれるだろうか。
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    satonaka_traum

    MEMO映画のパッションが抑えきれず
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    なんでも許せる人向け
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    転生して誰とも会わず高校教師になったら副担任になったクラスに前世で結ばれることは無かった男とそっくりででも名前は少し違う男子生徒がいた的な
    な。
    どうやら一目惚れされたらしく初日からすごい絡まれる。誕生日とか学生時代のこととか恋人の有無とか。当たり障りない程度に答えていたら、どうしても前世がチラついてしまう。
    今までは前は前だと分けて考えられたのに、この男のせいでどうも上手くいかない。別の人間だと思えない。それが彼にとってもあいつにとっても、酷いことをしているとわかっていても。
    幸い本人にも周りにも気づかれていないみたいだ。若い女性教師にありがちなやんちゃ系人気者系に絡まれているだけだと思われているらしい。私にとっては好都合ではあるけれどよくあるからと誰も助けてはくれない。
    そんな折、別のクラスの、授業を持っていない男子生徒から声をかけられた。前世の異名で呼ばれたから驚いたけれどそれもそのはず、そこに居たのは坂本辰馬だった。
    前世のことを話せるのが嬉しくて、よく話すようになった。
    授業準備室、というのがあって、そこに生徒は遊びに来てくれる。辰馬も、あの子もそう。でも、最近あの子は来なく 2214

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