モラトリアムの衝迫　それは桜の花が少しずつ咲き始めた頃だった。
　時刻は丑三つ時。ＥＳから程近い公園にはほぼ誰もおらず、いても通り道に使う程度で足早に去る人たちばかり。こちらを見る人なんて一人もいなかった。
　ひらひらと舞い落ちてくる花弁に対してつい手を差し出すも、自分の先程までの『仕事』を思い出し、ゆるゆると手を下ろす。
　今回の依頼もその前の依頼も、こはくさんには頼らずに一人でこなした。悪い人間とは掃いて捨てるほどいるようで、一人片付けてもまたすぐに依頼が入る。そういった人間をなんとかしてほしいという依頼内容は俺に直接来るので別にこはくさんに言わずに済ませてしまえば、それで終わるのだ。もしかしたらこのことにこはくさんは薄々気付いているかもしれない。それでもこの行動を変えるつもりはなかった。裏の仕事のことで前回連絡したのはいつだっただろうか。すぐに思い出すのはもう難しい。

【零凛】secret love 一片粉白色从朔间凛月的眼前飘落。
这是一个粉白色的信封，封口处贴着一张樱花状的贴纸。
它是在凛月打开自己的鞋柜时飘下来的。
凛月无视了周围人的目光，一脸淡漠地将那信封拿在手上，慢悠悠地走回了教室。
“阿凛，你手里拿着的是什么？”
大神晃牙一眼就看到了凛月手里的信封，他像往常一样将手搭上凛月的肩膀，然后被对方无情地拍下。
“大概是粉丝信吧。”
凛月拆开了信封，将里面的信展开。看到第一行的几个字时，原本还因为没睡醒而眯着的眼睛，突然瞪大了。
“致朔间零前辈：”
这是，给兄长的信。
凛月皱了皱眉头，继续看信的正文内容。越看下去，咬着自己嘴唇的力度就越重。血腥味在口腔内蔓延，但他连疼痛，都没有感受到。