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    pxs36

    @pxs36

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    POIPOI 13

    pxs36

    DONE現パロネロファウ同棲の導入の話です。春

    続き→https://poipiku.com/889508/7671805.html
    朝焼けとコーヒー。 慣れない匂いで目が覚めた。体には、今回の睡眠でうまく取れなかった疲労が少しだけ残っているように感じる。真新しい布団と、自分のものじゃないけれど、優しく爽やかな誰かの匂い。少しだけ空気が動いて微かに沈丁花の香りがする。
     春先、冬とは呼べなくなった頃。寒さの厳しい時期は過ぎたとはいえ、まだ日が昇るか昇らないかの時間は冷えてしようがない。掛け布団の隙間から入り込んだ冷気に震え、半ば無意識に温もりを求め隣にある体温へ手を伸ばす。しかしそこに欲した熱は無く、彷徨う手がシーツを叩き、皺を作りながら弧を描くだけだった。そこでようやくゆっくりと瞼を持ち上げた。

    「……ねろ?」

    触れるはずだった相手の名前をはっきりとしない声で呼んでみる。返事は返ってこない。もちろん姿も見えない。のそのそと上体を起こし布団の温もりから離れ、冷気で無理やりに覚醒を試みる。本来ならネロが隣にいる。それがファウストの勘違いでないことは寝ぼけた頭でも分かっている。昨日寝るまでに何度も確かめて、信じ難いと思う自分にも言い聞かせながら眠りについた。
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