魔法よりも確かに、貴方は私を救うのです。私は神楽坂みるら。苗字の方は故あって嫌いなので、みるらと呼んでほしいなって思う。そんな私は魔法少女だ。
「みるらちゃん!変身ピピ!」
「オーケィ、リア!……宙に瞬く星よ、我が祈りに応え、悪しき魂を捕らえたまえ――――祈縛のミルラ、此処に降臨す!」
白銀に染まり伸びた髪、自分の好みとは異なるセクシーな衣装、悪い人の魂を捕らえる籠のついた魔法の杖。傍らにいる人間とは異なる私の友達、オターリア・ピピストレッロが与えてくれた力だ。杖に乗り、リアの魔力が指し示してくれた方向へ飛行する。
「僕は此処で君の無事を祈ってるピピ! 頑張れ、祈縛のミルラ!」
「ありがとう、リア! 私、悪い人をやっつけてくる!」
なんて言葉を交わしたのが1時間前。そして現状、私は悪い人に押し負けている。チンピラって感じの派手な服を着てるその人達は、中学生くらいの男の子から財布を取り上げようとしてたので、杖で思いっきり弁慶の泣き所をフルスイングした。一人は痛みでひっくり返ったんだけど、もう一人はダメージが浅かったのか、近くにあったビール瓶を割って私と対峙している。
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