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    crystal___etc

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    1/26日のパラキンにて、名刺につけたおまけ小説です。
    羽張と善条が司令の仕方でじゃれる話。(短編)

    犬らしさ「善条、行け!」
    羽張が敵地に向かって指を指す。
    善条はその声に反応に、にっとして駆け出した。風が吹く、善条の速さを後押しするように、前に向かって。
    その様子を笑みを浮かべて満足そうに羽張は見つめた。
    「おい、流石にこき使いすぎだろう」
    「あいつなら大丈夫さ」
    「そういう問題ではない…指示の仕方もそうだが、まるで犬みたいだぞ」
    「ははは」
    塩津の苦言を笑い飛ばし、またじっと見つめる。その様子に塩津の皺が更に深くなった。
    「そんな顔をするな」
    「するだろう、なぜ笑っていられる」
    「一番近くで見ているのに、それを聞くのか?」
    塩津の方へと振り向いて、目を丸くする。塩津は面倒くさそうにしつつも、相手の言葉を待った。
    「俺は善条を信頼している、それに、あいつは指示を出した方がよく使える」
    小さく間を空けて、自身たっぷりに言い切った。
    「そして、善条の事を一番よく動かせるのは、この俺だ、わかるだろう?」
    揺るぎない姿勢に、塩津は呆れる。「そんな事はわかっている」と言葉を吐き捨てた。

    「羽張!終わったぞ!」
    呼ばれた羽張は片手をあげて応じる。善条の身なりは服がよれた程度で傷も少ない。単騎だけで充分だった事が伺えた。
    「よくやった善条、お手!」
    「?おう!」
    目の前に手のひらを差し出せば、ぽん、と善条が拳を差し出した。本人は意図がよくわかっていないが、気にせず笑顔のままだ。
    ぷるぷると羽張が笑いをこらえる。
    「もういい、今日はよく休め」
    必死に平常心を作り、手を引っこめる。
    思ったより、犬かもしれない、と一人思った。
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