ふかつくんとメタルブラケット矯正 実は、深津は小学生の頃、比較的よく笑い、口数も多い子どもであった。しかし、ある日深く生えた八重歯が見つかる。普段はあまり目立たないものの、笑ったときにだけ見えるこの歯について、歯科医から「前歯を押して歪めてしまう可能性があるため、年齢が若いうちに抜歯して矯正を行った方がよい」と勧められた。
こうして、彼は中学校三年間の矯正生活に入ることとなった。
大きく笑うと矯正器具が口内を傷つけ、強い痛みを伴うため、次第に口を大きく開けることを避けるようになる。器具のせいで常に口内に異物感があり、唇がふっくらと見えるようにもなった。表情をあまり変えなくなったものの、性格の根幹は幼い頃のままであったため、無表情でいたずらを仕掛けるという独特なスタイルが形成された。無表情であることがかえって威圧感を与え、バスケットボールの試合中はチームメイトから一定の敬意を集めるようになり、意外にも悪くない状況となっていた。
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