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    ymsn_08

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    楓応 ⚠死ネタ
    ラフの葬イ義方法が好きなだけなifのらくがき

    「御空、この品達をどうすればいい?」
    停雲の葬儀。まだ彼女の遺体は見つかっておらず明確な死と断定できないが形として執り行うために穹となのかは停雲の思い出の品を集めた。
    「ありがとう、貸してちょうだい」
    「星槎に乗せて送るの?」
    「ええ、途中までは私も乗っていくのだけど」
    「へぇ〜やっぱ操作する人が居ないと動かないの?」
    「そんなことないわ、星槎は無人であっても思いを届けてくれる」
    「じゃあどうして?」
    「それはね…」
    「龍に食べられてしまうからだよ」
    なのかの疑問に答える御空に被せるようにその声は言った。穹となのかが振り向くとそこには白髪の美丈夫、この星の将軍景元の姿があった。
    「龍?」
    「あ、それウチ知ってる!いまより何百年も昔に羅浮っていう星を龍が滅ぼしたって前に姫子が言ってた!」
    「あながち間違えではないな」
    「その星はまだあるけれど龍がいるから降りれないし人も住めないのよ」
    「龍がいるとどうして住めないの?」

    「じゃあ昔話をしようか」

    その昔、羅浮には雲上の五騎士という5人の英雄がいた。
    寿命に際限がなく術を扱える持明族の中でも最も優れた龍尊、丹楓。
    女の身でありながら彼女を超える剣の使い手は居ないとも言われた一騎当千の剣首、鏡流。
    弓の名手であり類まれな豪運の持ち主である羅浮一の孤族の星槎乗り、白珠。
    剣の腕はそこそこに策を弄するのに秀でていた羅浮の参謀である私。
    そして短命の身でありながら長命種をも凌ぐ類まれな鍛冶の才を持つ百治、応星。
    5人は互いに切磋琢磨をし共に戦う同士でありながら共に酒を酌み交わす友人であった。

    ある日、羅浮では長年行われてきた豊穣との戦いに優位を保ったまま一時的の終わりを告げた。途中、白珠が身を呈して丹楓と鏡流を守り大怪我を負うと言う事態が起きたが幸運にも一命を留めることに成功した。雲上の五騎士、誰1人として欠けることなく無事にそれは終わり、各々多かれ少なかれ負った怪我を治すために自分の家で療養していた。そして戦いの後集まる約束をしていたその日の朝、私たちに届けられたのは応星の訃報であった。
    元から短命種という決して長くないその命は老年期に足をつっこみながらも連日戦いに向けて徹夜をし、武器を仕上げた無理が祟ったのだろう。覚悟をしていたことであったがやはり辛いものがあった。医者による定期的な診断を終えたあと五騎士のうち4人で応星の家へとむかった。
    鏡流と白珠は互いの肩を抱き合い声を上げて泣いていた。私もまた嗚咽を漏らすようなことはしなかったが涙が溢れて止まらなかった。
    丹楓だけが応星の死を受け入れられずに呆然としていた。ぼんやりとただ虚空を見つめる彼の手を引きながら何とか鍛冶場に近い応星の家についた。
    私は一目応星の顔を見たら丹楓も応星の死を受け入れることができるだろう、鏡流と白珠に頼み自分たちが顔を合わしたあとは丹楓のため今晩は席を外してやろうと思っていた。

    しかし、応星の家で待ち構えていたのは彼を毛嫌いしていた持明族の若者たちや彼の出世を妬んでいた工造府の老いぼれたちの姿だった。
    「まったく神聖な工房を汚すなどと…」
    「しかし、あの愚か者に縛られる必要も…」
    「なんともまあ短い。鼠のような命だ…」
    「これで雲上は本来の4人へと変わられた」
    「すでに祝勝会の手筈は整っております…」

    「お手を煩わせるまでもございません。遺体はすでに宙へと送り出しました」

    彼らの言葉は異国の言語のようにしか聞こえなかった。
    私たちは友人の死に目に会うことが出来ないどころかその骸に最期の言葉をかける機会すらも永遠に失われてしまった。それを理解した時カッと頭に血が上り掴みかかろうとした。何にもならないと知りながらも相手を責め立てようとした。しかしそれもまた叶わなかった。胸ぐらへと伸ばした手は空をきった、何せそこに居たものたちの頭はすでに切り落とされていたのだから。
    その首を切り落としたのは丹楓だった。私は彼の顔を見ることが出来なかった。持明族の龍尊のプレッシャーは今にも膝を折りたくなるほどのものであり、まだ本調子ではない白珠は意識を飛ばしてしまっていた。また、あの鏡流ですら苦言を呈することが出来なかった。
    龍の怒りは苛烈を極め、丹楓の暴走は首謀者の頭を切り落とした程度では止まらなかった。彼は何も言わずに応星の部屋へと閉じこもり結界をはり私たちは拒まれた。そして彼の力である水でできた龍が羅浮の町からその外へと縦横無尽に駆け巡りあらゆるものが破壊された。
    結果として我々は住人を今あるこの星に避難させることに成功したが説得の甲斐は虚しくも丹楓は羅浮の英雄龍尊から羅浮を滅ぼした厄龍へと変わった。
    そして丹楓はいまだ応星を探しているのだろう、それ以降羅浮の近くを通った無人の星槎は水の龍によって羅浮へと取り込まれてしまう。


    「だから星槎で故人を送る際は羅浮を通り過ぎるまで有人である必要があるのさ」
    景元が話終えると3人は悲痛な面持ちを見せた。
    「丹楓の気持ちも分かるわ。私に力があれば今頃同じことをしているかもしれない…」
    「勝手にお葬式しちゃうなんて信じらんない!」
    「…何百年も前からずっと丹楓は応星のことを探しているんだね」
    穹の言葉に皆顔を曇らせた。そして別れの時がきて御空は帰りの星槎を引き連れて停雲の遺品と共に発った。ただ口を閉ざして冥福を祈った。

    「穹」
    そろそろ次の星へと出かけようと列車に向かう時景元が声をかけた。
    「開拓の運命を行く君にお願いがある。どうか、応星の星槎を見つけたら私に教えて欲しい」
    「もちろん、いわれなくとも」
    「…感謝する。星槎は型が古く外目でも分かるだろう」
    そんな言葉を交わして穹達は新しい星へとむかった。




    「穹、どうなっているか?列車に傷は着いておらんか!?」
    「あ〜、大丈夫。星槎が古いから列車には傷ついてないよ」
    「しかしこのような場所に星槎など…」
    「あ!そこ触ると中が…!」

    「白い髪の男の人…?」
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