ここは、教会の執務室である。部屋の主であるシャスティルは、恒例のお茶会で小休憩をとったあとも、急遽入った書類仕事に勤しんでいた。
チャポン!
先ほどから度々鳴る、液体の入った瓶の音のほうにめをやる。
「ここは教会なんだが!」
そこには、ザガンの案で、件の噂を払拭するため、影から出て護衛しているバルバロスが、酒瓶を片手にソファにだらしなく寝転びながら魔術書を読んでいた。
「まあ、そう、固いこと言うなよ♪執務時間はとっくの昔に終わってんだろうが。俺は、教会の人間でもねえんだし♪」
「本来、教会は、お酒は持ち込み禁止なんだが!」
「いや、お前、そこなの?」
起き上がり、こちらに向き直りながらバルバロスが問う。
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