頭痛
目を覚ました花垣タケミチは夢の中からも着いてきたような、そんな頭痛に腹を立てながら起き上がった。締め付けるような痛みがこめかみを刺し、脈打つ鼓動が脳みそで感じられる気がして指先を額に当てる。ストレスか、疲労か。それとも不良に殴られまくってとうとう痛覚がダメになったのか。
理由は分からないが、とにかく我慢ならない痛みだった。
「くそ…頭痛い…。」
そう呟きながらタケミチはリビングの戸棚から強めの頭痛薬を取り出した。ぶん殴られたときにもすぐ痛みを抑えてくれる、便利で万能なお薬だ。規定量は2錠。しかし最近は飲み過ぎのせいか、耐性がついてしまっていて、2錠では痛みが引かないかと思い、勢いで5錠を一気に水で流し込んだ。
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