監の休日「おはよう僕! 今日は休日だよ!」
今日も無理やり笑顔を作り、ベッドから飛び起きる。
壊れかけたクローゼットの奥に眠っている桃色ワンピースを大きな鞄に突っ込み、普段の制服のシャツとズボンを身に着けた。なんだかまだ肌寒いので、リドルのお下がりのベストを被る。
そうこうしている間に、猫もどき……もとい魔獣のグリムがもうすぐ目覚めようとしているようなので、その前に朝食の準備を進めておこう。ユウはそのまま階段を駆け下りた。
「じゃあグリム、今日はエーデュースのところに行ってきてくれる?」
「もちろんなんだゾ!」
グリムがツナ缶ねこまんまに顔を埋めながら元気な声を出す。やっぱり猫じゃないか?
猫大好き義兄……イデア・シュラウドに預けることも考えたが、さすがにまだ兄弟歴数週間だ。そんなことを頼めるほど長い付き合いではない。
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