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    sigakirose84

    @sigakirose84

    ヴィル監、マレ監、アズ監

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    力尽きました

    #創作監督生
    creativeSupervisoryStudent

    監の休日「おはよう僕! 今日は休日だよ!」

    今日も無理やり笑顔を作り、ベッドから飛び起きる。

    壊れかけたクローゼットの奥に眠っている桃色ワンピースを大きな鞄に突っ込み、普段の制服のシャツとズボンを身に着けた。なんだかまだ肌寒いので、リドルのお下がりのベストを被る。

    そうこうしている間に、猫もどき……もとい魔獣のグリムがもうすぐ目覚めようとしているようなので、その前に朝食の準備を進めておこう。ユウはそのまま階段を駆け下りた。



    「じゃあグリム、今日はエーデュースのところに行ってきてくれる?」
    「もちろんなんだゾ!」
    グリムがツナ缶ねこまんまに顔を埋めながら元気な声を出す。やっぱり猫じゃないか?
    猫大好き義兄……イデア・シュラウドに預けることも考えたが、さすがにまだ兄弟歴数週間だ。そんなことを頼めるほど長い付き合いではない。
    今日の予定をシミュレーションしながら、貰った紅茶を飲む。
    アールグレイが、寂れた部屋に香った。








    「わぁ、可愛い!」
    午前9時。桃色ワンピースを着たユウは麓の町へショッピングに来ていた。モストロ・ラウンジでのアルバイト代がかなり多く支払われたので、財布の紐は少し緩んでいる。おや?

    どこからか、美味しそうなパンの匂いが漂ってくるではないか。
    それに呼応するように、グルグルと腹が鳴る。ユウは本能に従い、匂いの出どころへ向かう事にした。



    「ありがとうございましたー」
    ベーコンエピ、ブリオッシュ、カヌレ。紙袋からは、それらから漂ってくるバターの香りが食欲をそそる。
    すぐそばのベンチに腰掛け、ベーコンエピを千切る。
    口に入れようとした、その瞬間。

    「仔犬、そこで何を食べている? 美味そうだな」
    背後から声を掛けられたので振り向くと、担任デイヴィス・クルーウェルがいつもの恰好で立っていた。
    「折角だし、俺も食うか……ってかお前、そんな恰好して。生徒にでも見つかったらどうするんだ」
    「その時は適当に言い訳します」
     いつの間にか隣に座った彼は、持っていた紙袋からレーズンバターサンドを出して齧っている。
    一つ分けてくれたので、カヌレを2つ渡す。
    「まったくお前は……元の世界はみんなこんな感じなのか?」
    「どうでしたかねぇ」
    「……悪いことを言った」
    「お構いなく」
    我慢ではなく本当にどうでもいい。
    そのまま軽く話し、彼は去っていく。

    「秘密だぞ」と渡された缶コーヒーは、背伸びの味がした。





    (にしてもこの格好……結構目立つかも)
    よくよく考えると、
    ・紫とピンクのオッドアイ
    ・横髪両方ともビビットピンク


    後天的とはいえなんだよこれ。

    せめて髪の毛はどうにかせねば。
    (髪を染める? いや、私不器用だから無理か)
    そんなことを考えていると、不意に携帯が鳴った。義兄から貰った、新品のスマホ。

    開くと、映画研究会のグループチャットである。
    内容は、次回の撮影で使うウィッグを購入したということで、記載されていた店名は現在地から徒歩10分もしない。
    監督生はあることを思いつき、そこへ向かった。




    「いらっしゃいませ!」
    小綺麗な店内に、若い店員の声が響く。
    ここはウィッグ専門店。あのヴィル・シェーンハイトが使ったのだから、それなりに良いものの筈だ。
    「えーと、長髪長髪……どこだ?」
    今回欲しいのは、できるだけ普段と違う髪型……つまり、明るい色の長髪ウィッグ。

    ライトブラウン、水色、白……
    少しばかり歩くと、色とりどりの髪がその場で出迎えた。

    これいいかも、と思ったのはラベンダーカラーのセミロング。
    自然な艶が私を買ってとばかりにアピールしている。
    さて、値段は……。

    (7000マドル!?)
    危うく声が出そうになった、失敬失敬。
    以前ネットで調べたときは3000マドルくらいだったような???
    やはり良いものには高い値段を、か・・・。

    「君、学生かい?」
    ふと肩を叩かれた。驚いて振り返ると、眼鏡をかけた初老の男がこちらを見ている。
    「あ、はい。そうですが」
    「この店のウィッグは魔導士免許がないと売れないよ」
    「で、でも」
    「ふぅむ……君がどこかの名門魔法士養成学校の生徒だったら」



    「叔父さん! お客さんに絡むのはやめて!」

    掠れた青年の声が、店内に響いた。
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