僕とサンタクロース その日の教室はいつも以上に騒がしかった。
「なんか全然頼んだのと違うプレゼント来たんだけど!」
「サンタの手紙がお父さんの字そっくりでさ〜」
「ゲーム貰えたけど電池入ってなくてプレイできなかった……」
今朝教室に入った瞬間に聞こえてきたのはそんな話ばかりで、クラスメイト達は一日ずっとこの調子だ。というか、十二月に入ってからずっとクラスの話題の中心はクリスマスだった。そのピークが今日というだけで。
冬休み目前という時期も相まって良くも悪くも落ち着かない児童たちの輪の中で、天田は一人浮かない顔をしていた。
帰りの会が終わるや否や、クリスマス談義に勤しむ周囲を横目に天田は一人そそくさと帰り支度を始めた。
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