璃月小話璃月を旅していた時の話だ。
あの時は、空とウェンティ、鍾離殿と一緒に絶雲の間を歩いていた。
絶雲の間は仙人が居る地だ。人間だけでは迂闊に踏み入ってはいけない場所もあると鍾離殿は言っていた。
その為に彼が先導して我々三人は後ろを付いて歩き散策をしていた、のだが。
結論から言うと、迷った。
いや、迷ったというより、はぐれたと言った方が正しいだろう。周りには僕しかいないのだから。
つい数分ほど前まで、鍾離殿が目の前を歩いていた。空もウェンティもすぐ隣を歩いていたはずだ。それが何故、気付いたら誰も居なくなっているのか……。
稲妻だと『狸に化かされたよう』と言うのだったか、そんな感覚を覚えた。ここは絶雲の間だから、『仙人に化かされたよう』になるのか?
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