【モモバン♀・ユキバン♀】無題 ふと視線を感じて隣を見る。オレの隣にはバンさんが座っていて、バチリと視線がかみ合った。オレを見つめて微笑むバンさんの顔はアルコールによって頬を赤く染めていて、蠱惑的なそれにオレの方まで顔が赤くなっていくのを感じた。
「バ、バンさん。どうしたんですか?」
じっと顔を見つめられて落ち着かない。耐えられずにどうしたのかと問えばバンさんは「ん?」と小首を傾げただけで何も言わなかった。
(可愛い……けどちょっとエッチな雰囲気もあってそわそわする……!)
どうにも居た堪れなくてバンさんから視線を逸らす。けれどもバンさんの視線は未だにこっちに向いているようだった。
すると、おもむろにバンさんの手がオレの方へと伸びる。何かと思ってその手の行く先を視線で追っていくと、細く長い指先がオレの胸部へと触れた。
「え?」
「百くん」
「は、はい!」
「寝て」
「え?」
「そこに寝て」
何で? と思ったがバンさんの指先がぐいぐいと俺の胸元を押すので大人しく従う。するとバンさんがオレの方へとにじり寄り、両手でオレの胸を揉み始めた。
「バンさんっ!?」
ぎょっとしてバンさんの顔を見上げるが、バンさんは淡々とした表情で下から上へと押し上げるように揉んでいく。え、何? 何でオレ、バンさんに胸揉まれてんの?
困惑するオレを他所に、バンさんは唐突に「千がね」と話し始めた。
「おっぱい大好きなんだ。だから昔、曲作りに煮詰まったときとか、よく俺の胸に顔を埋めたり吸ったりしててね。百くんも運動してたからかな。立派なおっぱい持ってるし、千に揉まれたりして大変だったんじゃない?」
「おっぱ……!?」
とんでもない発言に思わず絶句する。おっぱいではなく『胸筋です』と叫びたかったが、バンさんがひたすらに俺の胸筋を揉むのでどうしても意識がそれてしまった。