Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    AAsu1minyokU

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 2

    AAsu1minyokU

    ☆quiet follow

    ワンドロ ルイと亜蝶

    お題 ソウルメイトお題「ソウルメイト」

    おふたりは研究生時代からの仲なんですよね、と担当のライターが言う。ふと隣を見るといつもよりやや口元が綻んでいる男がいる。ええ、と答えるも口の端がやや引き攣る感覚を覚えた。仲の良い同期の『お友達』では、無い。

    「はじめて出会った時から亜蝶は完璧でした。」
    ライターに答える声の主を、亜蝶は横目で見た。
    ライターの質問が終わり、
    席から居なくなると亜蝶は口を開いた。

    「炎のせいで記憶までいじられたのか?」
    亜蝶は、あえてルイの方を向かないでいた。
    出会ったときの、燃えさかる札束を見た感想がそれか、と頭の中で呟き、紅茶の水面に映る自身を見た。時間が経った紅茶は少し渋い。
    「俺の記憶は確かで、嘘も言っていないはずだが。」
    こいつは、と思い言葉を言いかけたが、口がパクパクと動くだけで音は発しなかった。
    「完璧で、不完全」
    ルイがそう言った後、しばらく沈黙が続いた。
    言葉を反芻しているわけでも、返事が嫌になったわけでもなく、思考が水面に落ちたかのようだった。
    仲が良いというのは鬨も度々口にするが、良い悪いという以前に、ずっと居る朴念仁のような男である。正直何を考えているのか未だによく分からない。
    「亜蝶、多分俺は、
    そこまで大したことは考えていない。」
    辺りを見渡したが、やはりルイしかいない。
    「急に何だ」
    「分かりやすいだけだ。」
    ルイがフッと笑った後、
    肘をどついたような音がした。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖🙏👏😭😭👏👏❤❤
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    akira_luce

    DONE七夕の時にあげた丹穹。

    星核の力を使い果たし機能を停止(眠りについた)した穹。そんな穹を救うために丹恒は数多の星に足を運び彼を救う方法を探した。
    しかしどれだけ経っても救う手立ては見つからない。時間の流れは残酷で、丹恒の記憶の中から少しづつ穹の声がこぼれ落ちていく。
    遂に穹の声が思い出せなくなった頃、ある星で条件が整った特別な日に願い事をすると願いが叶うという伝承を聞いた丹恒は、その星の人々から笹を譲り受け目覚めぬ穹の傍に飾ることにした。その日が来るまで短冊に願いを込めていく丹恒。
    そしてその日は来た。流星群とその星では百年ぶりの晴天の七夕。星々の逢瀬が叶う日。

    ───声が聞きたい。名前を呼んで欲しい。目覚めて欲しい。……叶うなら、また一緒に旅をしたい。

    ささやかな祈りのような願いを胸に秘めた丹恒の瞳から涙がこぼれ、穹の頬の落ちる。
    その時、穹の瞼が震えゆっくりと開かれていくのを丹恒は見た。
    一番星のように煌めく金色が丹恒を見つめると、丹恒の瞳から涙が溢れる。
    それは悲しみからではなく大切な人に再び逢えたことへの喜びの涙だった。
    「丹恒」と名前を呼ぶ声が心に染み込んでいく。温かく、懐かしく、愛おしい声…。


    ずっと聞こえなかった記憶の中の声も、今は鮮明に聴こえる。
    8