奇にあらず「古賀、奇術部ってマジ?」
トランプを浮かせていた古賀時雨は
絶え間なく動かしていた手を静止した。
ここ、毒竜中学校では、
必ずしも皆がコマンドを持つ訳でなく、
幼少期の教育から始まり全く異なる進路
に置かれることも少なくない。
古賀時雨のコマンドは魔力であった。
その能力の期待値から
ジョブマッチングインターンに参加することが
許されていた。
古賀時雨は奇術部で、コマンド:魔術
を使うことは一見繋がるように見えた。
しかし、全てにおいて
このコマンドを適用するのは
都合が悪く、このトランプも
テンセグリティを応用し浮いていた。
「まあ、まあ」
過去───例の北野正念龍(キタノジェネラル)
の暴走により、コマンド:魔力を
使用する他なかった。
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