Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    結月(ゆづき)

    @22Yuzuki22

    主に小説しか書きません。(絵は見せられるものは書けません)のんびりまったり上げたりしてます。

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 73

    結月(ゆづき)

    ☆quiet follow

    双子誕生日話。
    キラ&カガリ誕生日おめでとう!

    共感覚双子誕生日話。

    【共感覚】

    あれはカガリが4歳の誕生日を迎えた日の事だ。
    『おとうさまー! どうしてわたしにはおとうとがいないの!?』
    あの日の私は、今まで感じていなかった違和感を覚えた。

    『いきなりどうしたのだ、カガリ。それに何故弟なのだ?』
    父が不思議そうな顔をして、乳母のマーナと顔を見合せる。
    突然言われた言葉に困惑する2人に、カガリは力強く答える。
    『だってみたんだ! ちゃいろいかみで、目がムラサキでキレイだった!』
    具体的な特徴を伝えると、困惑していた父の顔色がサッと青くなった。
    『どこで見たんだ?』
    真剣な眼差しで聞いてくる父に、カガリは言葉を詰まらせた。
    『えーと……ユメで……みた……』
    正直に答えると、父ははぁーと息を着いてから苦笑を浮かべ、カガリの頭を大きな手で撫でて来た。
    『……そうか。夢か……』
    どこか安心した様な寂しい様な、そんな表情を浮かべた父は、カガリの言葉を否定しなかったものの『すまないが、この話はこれで終わりだ』と誤魔化され、それかは父にもマーナにも“弟”の話をしなくなった。
    直接会った訳では無いし、夢の中でその姿を見ただけだ。
    (やっぱりあれはユメで、わたしにはおとうとはいないのかな……)
    子供のカガリにこれ以上出来る事はないのだと諦め、オーブの獅子の娘としての日々を過ごして行った。

    そして暫くはその夢の事を忘れていたが、ヘリオポリスでキラと出会った時、喪失感が埋まった感覚がした。

    * * *

    2人の誕生日の日。皆から祝われ、パーティが終わりを迎えた頃、カガリ、キラ、アスラン、ラクスの4人が会話を楽しんでいる中、カガリが懐かしむように話をしていた。
    「という事があったんだ。あの頃はキラの事を知らないはずだったのにな」
    誕生日前夜の夜、忘れていた記憶が夢として現れ、その懐かしさから3人に話していた。
    「カガリも? 僕も似た様な事あったよ?」
    キラが4歳の誕生日に不思議な夢を見た事を思い出した。
    「あまり覚えては無いけど、一緒に手を繋いで遊ぶ夢を見た事がある。その子がカガリだったのかは分からないけど、カガリと同じ金髪の子だったと思う」
    まさかのキラも同じ頃夢を見ていたのだと知り、カガリは驚きに目を見開く。
    「不思議ですわね。双子ならではの共感覚というものでしょうか?」
    「そうかもしれないな。思い出したが、幼少期のキラが変な事を言ってた事があったな」
    「え? 僕何か言ってた?」
    「あぁ。カリダさんに、なんで僕に妹いないの? って言ってた事がある」
    あの時カリダさん困ってたぞ。とアスランは話すも、キラにはその記憶は無いようだった。
    「妹? 姉じゃなくて?」
    「ふふ。カガリさんは姉の立場を譲りたくないんですのね」
    「勿論だ。だって私が姉に決まってる!」
    絶対姉のポジションは譲らないと言い張るカガリに、キラは苦笑した。
    「双子だし、どっちが上とか下とか関係なくない?」
    キラはどっちが上でも一緒だと言う考えの様だが、カガリはそうでは無い。
    「双子でも姉弟関係はあるんだぞ?」
    だから私が姉なのは譲らないと言い切るカガリに、アスランも同意するように頷いた。
    「俺もカガリが姉でキラが弟だと思う」
    「えー。アスランもそんな事言うの?」
    「そうですわね。キラは兄属性より弟属性だと私も思いますわ」
    「ラクスまで……」
    皆からキラは弟だと言われて複雑そうな顔をしていたが、最終的には諦めたように苦笑する。
    「……まぁカガリがお姉ちゃんでもいいけどさ……」
    「よし。キラも認めた事だし、お姉ちゃんである私からキラにプレゼントだ!」
    嬉しそうに笑うカガリは、予め用意していたプレゼントをキラに渡した。
    「……ネックレス?」
    「あぁ。お前用に作ったハウメアの守り石だ。大切にしろよ?」
    「……ありがとう。僕もカガリにプレゼント用意したんだ」
    今度はキラからカガリへプレゼントを渡す。
    「これ……」
    箱に入っていたのはトリィとは色違いのロボットだ。
    「ブルーと同じで僕が作ったんだ。名前はピィだよ」
    まさかのネーミングセンスに笑いそうになったが、起動させると“ピィ”と鳴いた為納得した。
    トリィにブルー、そしてピィは仲良く部屋内で飛び交った。
    「ありがとう、キラ。大切にする」
    「カガリさんともお揃いになれて嬉しいですわ」
    「私も少し羨ましかったから嬉しいよ」
    仲良く飛び交っていたトリィとブルーを見て、良いなぁと思っていたのだ。
    まさかキラが作ってくれるとは思っておらず、嬉しいプレゼントになった。

    「改めて誕生日おめでとう、カガリ」
    「キラも。誕生日おめでとう」
    お互いに祝いの言葉を伝え合い、アスランもラクスも微笑みながら2人を祝ったのだった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺☺☺☺☺💜☺☺👏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works