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    fukamm3116

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    fukamm3116

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    ポンコツ本丸シリーズ
    たぬきとバミの会話
    時系列がポンコツ本丸と違うのでスピンオフ程度に

    ##ポンコツ本丸

    たぬきとバミと主「たぬき、匿ってくれ」
    「またあいつか。」
    音もなく空いた襖から顔を覗かせたのは骨喰藤四郎。心做しか疲れた顔をしている。こいつは表情に余りでないのであくまでなんとなくだが。
    俺が傍においてあった座布団を視線で示すと、するりと骨喰が部屋に入り込んでくる。
    「そうだ。さすがに耳にタコができる。……こっちは主か。」
    「今日も長かったぜ。筋トレのメニューが一通り終わったとこだ。」
    「それは…お疲れ様、というやつだな。」
    勝手知ったる様子で、先程まで居た客が出しっぱなしにして行った麦茶をグラスに注ぐ骨喰。
    片方のグラスを受け取り飲み干した。
    「相変わらずだよなぁ、どっちかと言えば奴の方が不憫ではあるが。」
    「毎度毎度惚気話を聞かされる俺たちの方が不憫だと思う。」
    「違いない。」
    ふっと笑う俺の部屋にはつい先程まで、主が居座っており、やれ笑顔が可愛いだのおやつを食べてる時の顔が可愛いだの、頭を撫でてもらっただのと麦茶片手に熱弁していたのだ。
    もう慣れっこの俺はその間おーだとか良かったなとか適当に相槌を打ちながら日課の筋トレをしていた。
    うちの主はとある槍が大層お気に入りらしく、ことある事に可愛い!と人の心の機微など分かるはずのない俺の元へやって来て満足いくまで語っていく。
    やっかいなのはそれが未だ可愛い止まりであることだろう。ことさらにその槍にとっては。
    「だからもういっそ今夜辺りにでも1発ぶちかましてやれと言ってきた。」
    「……は?」
    こいつは涼しい顔でとんでもない爆弾発言をすることがある。今がそれだ。
    「言葉でダメなら力づくでと初期刀殿も言っているだろう。ここは男らしく覚悟を決めてガッといけ!と先程けしかけてきたところだ。」
    どうやら急展開になりそうだ。
    「お前……そりゃそうだが、ちとまずいんじゃねぇか?」
    「何がだ。」
    何を隠そう我らが初期刀殿は歌仙兼定なのである。僅かながら縁のある刀だが、この本丸の刀剣男士は皆彼の背中を見て育つ。
    それ故か、やたらと力技で解決する刀が多い。
    不思議そうな顔を隠しもしない骨喰は、首を傾げた。
    「互いに好きならば問題ないだろうに。なぜまずい。俺は主には幸せになって欲しい。杵は良い奴だ。」
    俺に惚気話をする時以外は。
    と、少し顔を顰めるのを見て、ずいぶんと人間くさくなったものだ。と笑いが込み上げてきた。
    「俺も、お前も、御手杵も。主のせいか?」
    主のお気に入りのとある槍、名を御手杵と言うが、彼もまた我らが主のことを憎からず思っていて、まあ現状主などよりよっぽど自分の"心"というものが分かっている。
    骨喰が惚気話と称するように、奴の口から出る審神者への言葉は皆親愛を超えた「好きだ」ばかりである。
    審神者の前で照れ照れと緩んだ顔になる槍。その槍を可愛い可愛いと緩んだ顔をする主。その2人を見るのが不思議と楽しいと思える自分。
    「なんのことだ。」
    骨喰は不思議そうな顔をしている。
    「ま、そこまで言わねぇとあのポンコツ主は"恋心"って奴には気が付かなそうだしな。ったく、」
    刀の自分らが先に気づいてどうするんだか。
    その日の夜、どうやら別の意味で覚悟を決めて1発かまそうとしたらしい1人の槍が修行に出ると言い出し、審神者が悲鳴をあげることをまだ誰も知らない。
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