さむいひのあまえんぼう「さむい、ので。いっしょにねても、いいですか?」
隣に敷いてある自分の布団の上にちょこんと座り大きな眼をうろつかせながら、時折ばちりと目があってはそわりと肩を揺らす可愛い子。寒い寒いと言う俺や俺の母さんを見ては不思議そうにしていたのに、いつからだったか寒いふりをしてひっつくようになった。わざわざ顔や耳を赤く染めて洟まですすったりなんかしているのに恰好はいつもどおりで、足なんて素足のままなんだからおかしくて仕方ない。なんて愛らしいんだと笑いそうになるのを抑え、落ち着いた声を努めて出して鬼太郎を自分の布団に迎え入れてやる。
「ああ、勿論。さ、おいで」
パッと顔に喜色を滲ませて布団に潜り込んでくる鬼太郎の体温はいつもよりもあたたかで、なぜだか涙が出そうになるような感情がふつふつとこみ上げる。遠慮してなのかほんのり隙間を開けているのでえいやと抱えてこんでやった。
885