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    henkyo_

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    運命礼讃 はじまり

    運命礼讃 改訂「みずきさんは、つがいをつくらないんですか?」
    胡座をかきながらぷかぷかと煙を喫む水木の股の間にすっぽりとおさまった鬼太郎は膝を抱え、少しばかり陰鬱な気持ちをもってまんまるとした片目で水木を見上げ、そう問いかけた。
    「つがい、って嫁さんのことか?そりゃあ、ずいぶんと今更だなあ。こんな男、誰だって相手にしやしないさ」
    長い間使われてきたからか、少しばかりガタつく丸い卓袱台に置いた灰皿に短くなった煙草をぎゅむりと押しつけながら、喉の奥でくつくつと笑い、歌うように水木は言葉を選んでいく。
    「きたろう。かわいい鬼太郎や。俺だけでは物足りないか?」
    水木は鬼太郎の小さい体を囲うように抱え込み、身体全体をゆうらゆうらとゆすりはじめた。それは、ぐずる赤子であった鬼太郎をあやすときのあまやかさを伴っていた。
    「いいえ。そんなことはないです。ぼく、みずきさんがいい。みずきさんだけがいい。でも」
    水木がいてそれでもまだ物足りぬなど、そんな事があるはずがない。なんてことを言うんだこの人は。そう鬼太郎は思った。そうではないのだ。しかし、率直に言ってもいいのだろうか。鬼太郎は言葉を探しあぐねて、口の中で意味を持たない音たちをもごもごと転がした。
    「でも?」
    そんな鬼太郎を水木はやわらかい声で促した。鬼太郎は水木の顔を見れないが、きっとやわっこくてあまい、きれいな眼で一心に自分を見つめてくれているのだろうなと思った。
    「うんめいの、うんめいのつがいというのがあると。そう、とうさんにききました」
    やっと出せた言葉はそんな簡単なものであった。
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    henkyo_

    MAIKING世界の最後を2人で迎えるユハ一
    書きかけなので全然カプ話になっていない
    前提
    🍓がユハを処女懐胎し出産
    2人で0O√(解放済)
    孵化本当に、甘ったるい男だ。我儘を通して循環の流れに埋め込み生まれ変わらせた死神連中や友人、家族に前の命の面影を重ね、自分がそこに居ないことに勝手に傷付く。最早別の人間だと知っている癖に。健気で、自分勝手で、愚かで、憐れ。何千、何万と時間をかけていくら削っても底の見えない善性。それがどこまでも憎らしく、愛しい。









    もう、終わりが近い。空が灼熱の太陽を写し取り、眩く輝き続ける。光に紛れ、かろうじて見える大地は乾燥し赤茶けた色ばかり。緑は疾うの昔に枯れ果てた。魂魄のバランスさえも傾き、数多の命が循環することなく消失した。それでも、力の強い者たちは生きた。生きて、しまった。しかし、それももう終わる。我らの命の母たる海は既に死に絶え、我らの命の父たる大地も間もなく、膨張した太陽に飲み込まれ消失する。残された命ごと、この星は燃えゆく。ああ、なんて寂しいことだろうか。我らの命をもって繋ぎ止めようとしていた世界は、こうも呆気なく終わってしまう。宇宙へと旅立った者たちは、きっと幸運だった。三界の理から解放され、新たなシステムと迎合し、まだ見ぬ世界へと往く事ができたのだから。
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