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    toncyanginchan

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    toncyanginchan

    TRAININGクリスマスのダスタード 第二部 「シリアス哀しい涙の聖夜」
    指輪の行方時は深夜……

    「う、あ……ぐ、ぐああっ、うっ?……ああぁっっ、ひっ、ぐっ、あっあああ?………うわぁあああああっっ!!やあああぁあっっ!!うあぁっっ!!」

    うす暗い部屋の中に突如として悲鳴が響き渡った。だがそれはすぐにぴたりと止まり、後は、はっ、はっ、と荒い息遣いのみ。時折、激しく蹴りたてられたシーツがピリピリと裂ける乾いた音がする。

    「おい、おいっ!!しっかりしろっ、サンズッ!おい……っ?!サンズッ!!」

    そこに、低く静かではあるが奥底に不安と焦りをにじませた声が続く。それをわずかに聞き取ったのか、サンズの眼窩にぼんやりと白い瞳孔が浮かび上がった。それでもまだ息を荒くし、焦点の合わない目をさまよわせているその頬をフェルは軽く手の甲で叩く。その固い骨の感触に、悪夢の中から自分を現実へと連れ戻してくれた相手に気づき、サンズは我にもなく泣きたくなるような気持ちでフェルを見つめた。今も逃げ場のないソウルが切り刻まれるような悪夢の中にいた。まだこの手の中に感触すら残っているようだ。最近では減ってきたものの、時々こうして“忘れるな”とでもいうように、不意打ちで悪夢に襲われる。サンズは自分の体が嫌な寝汗でじっとりと濡れ、震える手は目の前のセーターをちぎれんばかりに握りしめていることに気がついた。
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