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    トモナイ

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    トモナイ

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    本編差し込み文章

    ドーズ失踪後のパティちゃんとキース「え、辞める?ベルさんが?」
    「突然な。何か聞いてねぇのか、恋人だろ」


    私の恋人、ベルトさん。愛称ベルさん。
    彼は一言で言うならとても面倒くさいひとだ。
    よくいじけるし、よく甘ったれる。そのわりに、進んで頼ろうとはしない。
    全部ひとりで抱え込んで、解決しようとする。
    だからきっと、今回も何かあったんだと思う


    「……聞いてないです。ごめんなさい」
    「やっぱりか。ニルとかに聞いても、心当たり何もねぇって言うんだよ」


    ったく……と悪態をつくキースさんを尻目に、考えてみる。
    思いつく理由は……あると言えばある。
    オズにいだ。
    ベルさんは、彼のことを怖がっていた。
    何も無い、とは言っていたけれども、本当は過去に何かあったんだと思う。


    「オズにい……どうしてます?」
    「あ?オズにい?」
    「あ、えっと、オズワルドさんです……」


    そう聞けば、キースさんの表情が強ばった。
    怒っている……いや、急に機嫌が悪くなったみたいだ。


    「オズワルドな、オズワルド……お前仲良かったのか」
    「え、はい、まぁ。幼い頃から知人で」
    「ドーズは。あの紙袋とも仲良かったのか」
    「ドーズおじさまです?どうして急にドーズおじさまが出てくるんでしょう
    「あいつら同一人物だから」
    「へぇっ」


    思わず素っ頓狂な声が出た。
    ドーズおじさまとオズにいが同一人物……ってことは、ドーズおじさま、紙袋の下お顔無かったの?


    「……あ」


    そこで私は以前ドーズおじさま聞かされた話を思い出す。

    ーー胴体は愛想を尽かして逃げてしまったのかもな

    オズにいが性犯罪者だったっていうのが本当なら、オズにいから逃げていた……?


    「……ちょっと私、ドーズおじさまと会ってきます」
    「無理だな。あいつもうどっかに逃げたし」
    「えっ、どうして」
    「僕が正体問い詰めたら、叫んで逃げてった」
    「……」


    キースさんは淡々と喋りつつも、どこか誇らしげだった。
    ……理解に苦しむ。
    あんな優しい人を追い詰めたことを、何故そんなに誇っているのだろう?
    なんだか気分が悪くて、胸がざわざわする。


    「それよりベルトの説得よろしくな。たぶん歓楽街辺りにいると思うから」
    「……。……わかりました」


    私は久しぶりに、人を嫌いになりそうになった。
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