Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    猫又@二次創作

    @Nekomata_towatu

    主にトワツガイの二次創作として小説を書いております猫又です!

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 4

    猫又@二次創作

    ☆quiet follow

    トリの夏祭り後に、更新していこうと思っている小説『疾風と成りて』の冒頭部分になります。

    ⚠こちらの作品は、私が考えたトリが出てくるものなのでオリキャラが苦手という方はスルーしていただければ思います。

    感想など貰えますと励みになりますので、よろしかったら是非!

    疾風と成りて朝6時、私は日課の鍛錬のために、CAGEに備え付けられている道場風の訓練場に来ていた。

    神棚に礼を行い雑巾がけを行うと、訓練場の真ん中で正座をして目を閉じる。
    視覚からの情報を完全にシャットアウトし、余計な思考を捨てる。
    感覚が研ぎ澄まされ、外で鳴く鳥の鳴き声や訓練場に使用されている木材の香りが、鮮明に感じ取れる。

    数分、その状態で集中力を練り上げてから私は鍛錬に臨む。

    「………………」

    道場内では、木刀を振るう音と自分の足運びの音だけが響く。
    定めた素振りの回数を終えると、木刀を元の場所に戻し、自分の荷物をまとめていた場所から、刀を手に取る。

    技術班のカッコウさんに、作って貰った特別製の武器。
    名前は私のコードネームに、因んで付けられた『疾鳥の刀』と言う名前らしい。
    私は未だに、その刀の名前は気に入らない。

    「ふぅ……」

    軽く息を整えると、柄に手を当てて集中する。
    素振りのときとは違い、微かに自分の息遣いが聞こえる程度に静まり返った道場で、私は構えを取り刀を抜く。

    「もう少し早くできるはず」

    自分の抜刀のスピードに納得がいかなかったが、時計を見ると既に時刻は7時30分頃を指していた。

    「あの人……。はぁ、三日坊主」

    私は脳内にペア相手の事を思い出すと、悪態をついてしまう。
    しかし、そんなことを考えている暇はないので、すぐに後片付けに入った。

    後片付けを終え、神棚に終わりの礼をすると私は訓練場を後にした。
    時刻は8時前。
    もう既に多くのスタッフが出勤し、仕事に従事していた。

    自室に帰ってくると、すぐにシャワー室に駆け込む。

    「はぁぁぁ、生き返る……」

    我ながら情けない声を上げているが、自室のシャワー室のため、全く気にしない。
    そうしてシャワーを浴びると、普段着ているCAGEから支給されていた服に着替える。

    確かスタイル?という名前。
    私にはただの服にしか見えないけど、カッコウさんのこだわりがあるらしい。

    時刻は8時30分を過ぎていた。
    朝食を食べに食堂に来たはいいが、一緒に朝食を摂る予定の、ペア相手の姿が見当たらない。

    「本当に最悪」

    私は食堂を離れると、ペア相手の部屋へと向かう。
    念のためにと持たされた部屋の鍵を使い、部屋を開ける。

    カーテンは完全に閉め切られており、ベッドには部屋の主が、下着姿でぐっすりと眠っている。

    「三日坊主さん、起きてもらっていいですか?」

    「んんっ……」

    声を掛けるが少し反応があるだけで、起きる素振りはない。

    「あなたが私の朝の鍛錬に、付き合いたいと言ったんですよね。本当にあれから3日で、このザマ。三日坊主を体現してのけた人は、初めて見ましたよ」

    私は鐺(鞘の先端部分)で、彼女を小突く。
    反応はしているが、全然起きない彼女に、イライラしながら私は最後のカードを切った。

    「だから、そんなお腹周りになるんですよ」

    「ちょっと!まだそこまで酷くなってないでしょ!辞めて、刀でお腹を小突かないで!」

    私がお腹をふにふにと鐺で小突きながら、お腹周りについて言及すると、彼女はガバっと勢いよく起き上がった。

    「今何時だと思ってるんですか、クジャク」

    「えっと、8時くらいかな?」

    「はぁ……。お腹空いたので、早く準備してください。外で待ってます」

    「はーい、すぐに準備いたします!」




    これはツバメやタカ、モズと言ったメンバーが、トリとして目覚めて間もない頃の、監査班に所属している『ハヤブサ』と『クジャク』というペアのお話。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works