自分の宝物…の段! ぽかぽかと暖かな日差しと爽やかな風が舞い込む教室は心地よく、更に教科書をめくる音は眠気を誘う。
「このことから、忍者は情報を探るときには山伏や商人などの諸国を巡る人々の格好で情報を探るのである。次に、情報を探る時の……」
カーンカーンと鐘の音が空に響いた。キリの良いところで授業が終わり、ウトウトとしていた子どもたちは目を覚ます。
「本日の授業はここまで!」
「「ありがとうございました!!」」
授業の終わりの言葉と共に子どもたちの明るい声が一年は組の教室に響いた。
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「今日も心地よくてつい寝ちゃったよ」
「土井先生も半ば諦めて授業してたよね」
福富しんべヱは涎を拭きながら笑い、猪名寺乱太郎は眉を八の字にして笑った。
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