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    sobako_mc

    🥂👔だったり🐰2️⃣だったり。表におけない進捗をポイポイしてあります。

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    sobako_mc

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    ヒプクエ話術師🥂×商人👔君的なRPGパロ。
    秘密の話術師🥂君の秘密と没落貴族👔君のお話。
    🥂君サイドのお話。この後めっちゃエケベリア探して酷い目に合うパターン。

    ぼうけんのしょはかきました。フワフワの赤銅色の髪に観音坂家の一員である証の水色のインナーカラー、伏せ目がちというよりは少しジト目な半分瞼に隠れた碧い瞳は空と海が一緒になっているようで美しい。
    「お、お父さんっ……」
    「ん?どうした?」
    「あ、あのかわいい子誰!?」
    「うん?どの子だ?」
    「赤い髪の子!!」
    多分これが一目惚れってやつだと思うんだよなぁと今にして思う。まぁ、相手は男だから子供は出来ないかもってしょんぼりする俺っちに魔王のダンジョンにある何でも願いを叶えてくれる宝石を取ってきたらお嫁さんに出来るかもなぁなんて陛下には笑われたけどね。いや俺っちが王位継承したら同性婚法作るし。その子と絶対結婚するし。
    そんなことを誓ってその子が七歳になるまで待っていた。建国から王家を支えていたとされる観音坂家はその当時でこそ伯爵だったけど昔はもっとお偉いさんだったと聞く。公爵の地位まで登りつめたらしいけど、徐々に力を失っていって伯爵家に落ち着いたとかなんとか。なんで公爵のままじゃなかったのかなぁっておもったけど、正直その辺は昔のことだしわっかんない。まぁ、うちだって王族というけれど端の端、分家の分家が成り上がったってだけのことだから栄枯盛衰といえばそうなのかもね、と俺っちは思う。それはそれとして、その観音坂伯爵家の長男である独歩君に一目惚れした俺っちは七歳になって王子様のご学友になる権利を彼に与えようかなって思った。もちろん角が立たないように他の侯爵とかその辺の子供も集めたし、独歩が萎縮しないように子爵の子とかもピックアップした。爵位に縛られるのは古いから少しずつそれに捕らわれない形で人脈を広げたいんだとかそれっぽいこと言ってたらお母さんは納得したしね。
    まぁ?ご学友になる前に?独歩は爵位を失って平民になっちゃいましたけどね?笑えよクソ。
    「マジありえねぇ……」
    本当にマジでありえない。俺っちがあんなに楽しみにしていた独歩とのファーストコンタクトは大失敗どころか本人がいないまま終わった。どうやら観音坂家の奥様が俺っちや姉ちゃんに手を出そうとしたとかいう噂がまことしやかに流れたらしい。いやいや、独歩と仲良くなりたいから観音坂婦人の外堀埋めようとしただけですが!?それがどうも『伯爵家では満足出来なかった観音坂婦人が王子に取り入ろうとした』って噂になってしまったらしい。そのせいで観音坂家は没落しちゃったんだって。

    いやいや原因俺かよ。

    違うんだよ俺っちが話しかけたの!だから観音坂婦人悪くないのに!そんなこと言いながら必死に庇ったら余計後暗いところがあるとか脅されてるとかそんなふうに言われちゃって。そのせいで独歩は辺境の地に飛ばされちゃうし、平民になったからご学友になんてなれないしで踏んだり蹴ったりだ。流石にグレそうになって家を飛び出したけど、結局連れ戻されちゃったし。
    でも俺っちはめげなかった。執事とお目付け役と護衛騎士のシフトと交代時間と監視の目が途切れる時間を狙って家出をしては独歩がいると思われる国境付近に行っては彼を探す。そんな日々を続けていたらようやく独歩が働いてる商店を見つけることが出来た。冒険者御用達のそのお店はポーションやダンジョン脱出ロープ、煙幕、その他諸々が売ってる便利屋である。そこで働く独歩は記憶よりも大分大人びていて、俺っちは離れてしまった時間を痛感した。でも良いんだ。働いてる場所が分かったら。元気にしてるのが分かったら。
    だって生きてたら、独歩と結ばれる可能性はあるわけじゃん?だから俺っちは貴族のどら息子を装ってこうして逢いに来ているわけである。辺境の地だからさぁ、ワープ使うのも一苦労なんだよね。履歴消すのもちょっち大変だしさ。でも独歩の為なら俺っち頑張れちゃう。
    「チチチチチーッス!!ちゃんどぽぉー!元気〜?」
    バーン!と勢いよく開いた扉にまたこいつか、とげんなりした顔をされたけど、俺っちめげないもんね!二十年近く片思いして十年以上会えない日が続いたんだぞ。その期間の悶々ぶりに比べたら塩対応なんてなんのそのだ。
    「一二三……」
    「おぉ?どうしたどうした?俺っちがいなくて寂しかったりしたか独歩ー」
    「そんなわけあるか。お前がくると仕事が進まないからどうしようかと思ってたところだよ」
    「えぇ……?俺っちめっちゃ独歩の仕事手伝ってんのに?」
    「邪魔してるの間違いだろ」
    まったく、なんて嘆息されるけど邪魔したことあったっけか?と首を傾げる。まぁ、ポーション作りの最中にスキンシップして大失敗させちゃったけど毒消し薬になってめちゃ売れたから結果オーライじゃん?
    「それで今日の予定は?」
    「ん?今日?」
    「何も用がないのに冷やかしにくるなって言ってんだよ」
    「あー、なるほどね。用ならちゃんとあるよ」
    「何だ?」
    「独歩に会いに来た♡」
    「帰れ」
    「わー!嘘嘘!嘘じゃないけど!ポーション下さい!あとダンジョン脱出ロープも!」
    不機嫌そうなのはいつものことだけど、商店の雇われ副店長な独歩には迷惑な客を出禁にする権限もあるわけで、あまりにもからかいすぎるともうくるなって閉め出されるかもしれない。この世界の商人って冒険者と互角に金額交渉しなきゃいけないから何気に強いんだよね。特に出禁結界とかさ。
    慌てたように言うと独歩は俺の額にチョップを落とした後、言われた通りにポーションとダンジョン脱出ロープを渡してくれる。愛が痛いぜ、と思いながら銀貨を出すと、独歩は金庫にそれを入れて用事が終わったなら帰れよ〜、なんて言う。なんて冷たいんだって思うけど人見知りと警戒心高いのは昔からだもんね、と思って俺っちは少し嬉しくなった。子供の頃は話す機会も少なかったけど、その中でも俺っちに心を開いてくれたことは最後の方だけだったもんな、と苦笑する。でもいいんだ。昔と変わらないところがあるだけ嬉しいんだし。
    「ねぇ独歩〜。いい加減俺っちとクエスト行こうよ〜!魔王を倒そうとか言わないからさぁ〜」
    本音を言えば倒したいけど。願いを叶えてくれる宝石欲しいけど。でも俺のジョブは戦闘向きじゃないし独歩もそうだ。ディベートとかで魔王倒せないかな。倒せなくてもいいからお宝はほしい。
    「そんなこと言われてたまるかよ。魔王なんて無理に決まってるしクエストだって……」
    「ウルトラレアなエケベリア採取クエストなんだけどなぁ……」
    俺っちの言葉に独歩の耳がピクリと動く。ウルトラレアなエケベリアに恐らく惹かれているのだろう。昔から多肉植物とかお花とか、そういう植物育てるの好きだったもんな。庭師のおっちゃんの後ろをトコトコ着いて歩いてたっけ。黄色いバラを大事に育ててたけど……あれ結局、咲かずに庭の隅にいる。独歩が帰ってきたら咲くかな?なんて思いながら俺っちは話を続ける。
    「この虹色の花を咲かせるエケベリアの採取がクエストなんだよ。まぁそこまでお金にはならないけど独歩、多肉植物好きっしょ?だから一緒に」
    「四十秒で支度するからちょっと待っててくれ!」
    そう言ってバタバタと忙しく用意をし始める独歩を見てふふ、と笑う。俺っちとクエストじゃなくて虹色の花を咲かせるエケベリアに目が眩んでるところは解せないけど……、まぁ楽しそうならいっか。碧い瞳をキラキラさせながら準備をする独歩ちんのなんと可愛いことか。
    「ふふ、楽しそうだなぁ」
    独歩ちんってば本当に変わんなーいなんて呟きながら街の情報屋からもらった地図を見る。ここなら二人きりになれそうだよね〜なんて思いながら俺っちは、まだ〜?なんて言って独歩を急かすのだった。
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    Replies from the creator

    sobako_mc

    DONE付き合っていることを周囲に内緒にしているタイプの学生🥂👔とバレンタインのあれそれ。最後少しキスしてるぐらいのイチャ付きです。
    ハッピーバレンタインなんて口が裂けても言わないバレンタインデーなんて誰が決めた。
    この日だけは独歩に近付くなって毎年釘を刺されている。家に帰るまでは俺に話しかけるな、会うな、近付くな、登下校も完全に別、という徹底ぶりだ。何でだよ、って言っていたこともあったけど、何となく気持ちは分かるんだよな。独歩がこの日を嫌う気持ちって言うの?俺っちとしても、独歩に会うのは……ちょっと嫌だし。
    何で嫌かって、バレンタインデーってどうしても自分達以外の人の好意がチラつくから。まぁ昔から俺っちってばこの時期になると同じクラスだけでなく別クラ他学年からも告白の嵐でその度に独歩が面白くなさそうな顔をしてきたことを知っている。俺が貰うチョコを見ては、お返し大変そうだなって他人事のように言いながら頬を膨らませている独歩がいるからこそ、この日は学校で俺を見たくない気持ちは分からんでもない。いつだったか、独歩が女の子に告白されているのを見て胸がモヤモヤどころかイガイガして、その場に飛び込んで俺っちのもの主張してしまったことを思い出して苦笑いしていると、クラスメイトから「伊弉冉〜」なんて呼ばれる。
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