レオいず(書き途中供養) 目を開けて俺の視界に広がったのは、見慣れぬ真っ白な天井だった。
脳みそが白んでいて、酸素とか血液が行き渡ってない気がする。何故かまぶたがひどく重くて、まばたきをすることすら億劫だった。そして、眼前の天井の色にはまったく身に覚えがない。視線を右手側へ動かすと、やはり見たこともない窓。カーテンの隙間から差し込む色はふんわりとしたオレンジ色。いまは、夕方のようだった。
おかしい。俺は今朝、星奏館から出たばかりで、タクシーを呼んで、それから、信号を渡って。
「セッちゃん」
次に目に飛び込んできたのは凛月のすがただった。丸椅子に腰かけて、いつもはねむたげに細められている赤い瞳をぱっちりと見開いて。
急いで起き上がろうとしたが、腕に管がまとわりついていて思うように身動きが取れない。ぼすん、と背中にやわらかいような感触。俺はベッドに寝そべっていたようだった。少しだけかたい枕があたまにおさまると、後頭部が鈍く痛んだ。
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