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    かここん

    @Acol1116

    公に出してない絵とかを出す予定

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    かここん

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    2話です!

    怪異牙王白虎「そういやさ、……えっと名前なんだっけ」

    蒼天朱雀「蒼天朱雀。朱雀でいいよ」

    銀髪で褐色肌の少年、牙王白虎は少しだけ忘れっぽい性格をしていた
    それを察知した蒼天朱雀は牙王白虎は忘れっぽい。要注意。ということを脳に刻んだ

    牙王白虎「朱雀!そーだ思い出した!あのさあのさ!学園見て回らない!?」

    入学して間もない頃だと言うのに牙王白虎は酷く馴れ馴れしく蒼天朱雀に語りかけ、更には唐突なる誘いをするようだったので蒼天朱雀は

    蒼天朱雀「……ぃ、いいよ…」

    少し引き気味になっていた
    しかし了承した


    〜学園内〜

    牙王白虎「広ー!!凄!いっぱい施設ある!」

    蒼天朱雀「ねえ白虎!そんなぴょんぴょん色んなところに行くと迷子になっちゃうからあたしから離れないで!!」

    あまりにも牙王白虎の落ち着きがなかったため蒼天朱雀は咄嗟に彼を制止した

    蒼天朱雀「…そーいえば白虎は何基準で合格したの?」

    この学園では様々な受験方法で、基準で合格することが出来る
    その基準は 学力、芸能、スポーツなどなど沢山ある

    牙王白虎「スポーツ!勉強なんて俺からっきしだからスポーツだけが取り柄で!この学園入った!」

    牙王白虎は自信満々にそういった

    蒼天朱雀「そ、そうなんだ…運動神経いいんだね…」

    牙王白虎「朱雀は?」

    蒼天朱雀「あたし?あたしは芸能。歌うのとかダンスとか好きだからさ」

    蒼天朱雀は顔立ちも非常に良く、身長はかなり低めだがスタイルもスラッとしていて良かったため牙王白虎はそれに納得がいった

    牙王白虎「そーなんだ!」

    そんな会話を学園のお店が並ぶ場所でしていたが…

    蒼天朱雀「!ねえあたしこれ飲みたい!」

    いきなり蒼天朱雀がとあるものを指さした

    牙王白虎「…へ?」

    そこにはドブ色と禍々しい緑色と毒々しい紫色の混ざったような色をしたジュースの看板があった
    そのジュースの下にはこう書かれていた
    「飲みきれた人はいない!挑戦者求!完食した人にはギャミちゃんグッズをプレゼント!」

    その文字の更に下には「ギャミちゃん」と思わしきキャラクターが描かれていた
    目がガン開きで全体的にモサモサしていて歯茎が見えるくらい歯を出してにっこりしているジュースの色に似た色をしたキャラクターでお世辞にも可愛いとはいえなかった

    蒼天朱雀「あのギャミちゃんも欲しいしあのジュースも飲みたいのよね!」

    牙王白虎「でもまず………いいとおもう!」

    牙王白虎は自分の意見を言いそうなところで必死にとめ、蒼天朱雀を肯定した

    蒼天朱雀「じゃあいこっか!」

    蒼天朱雀はしっかりと牙王白虎の手を引張り、店の中に入る

    牙王白虎「え、おれ、いいです、、」

    牙王白虎は小声でそう言ったがそんな言葉が今の蒼天朱雀に届くことはなく…

    店員「2名様ご来店です!」

    蒼天朱雀「泥泥毒毒ジュースふたつお願いします!」

    店員「!チャレンジャーですね…!」

    店員は息を飲んで蒼天朱雀を見つめ、そのジュースを作りに行った

    牙王白虎「俺いいんだけど……」


    数分後…

    店員「…お待たせしま…うぇっ…」

    あまりの強烈な匂いに店員も思わずえずいてしまっていた

    店員の持つプレートには毒々しい見た目をしたジュースが2つ置かれていた

    蒼天朱雀「わー!美味しそ!」

    牙王白虎「(しぬ…)」

    すでに牙王白虎の顔色は褐色から青白い色に変化していた

    店員「制限時間は15分です!…ではスタート!」

    店員はとうとうガスマスクまでつけてしまっていた

    牙王白虎「(匂いがこれでも味がいいかもしれねーし…)」

    牙王白虎は死ぬ覚悟を持ってジュースのストローからその禍々しい液体を飲んだ

    その結果…

    牙王白虎「ウェッ…」

    一瞬で灰と化した

    一方蒼天朱雀はというと

    蒼天朱雀「んー!!美味しい!!」

    めちゃくちゃ味わってジュースを飲んでいた

    2分が経過しそうな頃くらいに…

    蒼天朱雀「ご馳走様!おかわりもらえる?」

    まさかおかわりを求めたのであった

    いつの間にか蒼天朱雀の周りには野次馬達が集まっていた

    野次馬「おいあの生徒すげーな」
    野次馬「もしかして1年じゃねーか?」
    野次馬「あのジュースをたった2分で飲みきって更にはおかわりを求めるなんて…」

    蒼天朱雀「あ!白虎いらないならあたし貰っていい?」

    当の牙王白虎はというと灰になっていたので蒼天朱雀は牙王白虎を灰にした張本人を美味しそうに飲んだ

    店員「す…すごい…体調とかに変わりはないですか?」

    蒼天朱雀「?全然!むしろ美味しすぎてサイコー!」

    蒼天朱雀の言葉に周囲は驚きを隠せずにいた

    店員「おめでとうございます!ではこちら景品のギャミちゃんグッズです!」

    店員は蒼天朱雀にそのグッズを渡した
    謎の生命体、ギャミちゃんのグッズを

    蒼天朱雀「わわー!可愛い!」

    蒼天朱雀は貰ったギャミちゃんの特大ぬいぐるみを抱きしめて大変幸せそうな顔をしていた
    灰になった友達、牙王白虎の横で



    牙王白虎「すげーな…あれ飲みきるなんて…」

    蒼天朱雀「毎日飲みたいくらいあれ好き!美味しくない?!」

    景品のギャミちゃんぬいぐるみを両手で持った蒼天朱雀と牙王白虎は学園の寮に行くための帰路に着いていた
    牙王白虎は未だに青白い顔をして虚ろな目をしていたが

    蒼天朱雀「あんな美味しいジュース飲めた上にこんな可愛いぬいぐるみまでくれるなんていいのかな〜?」

    牙王白虎「(まじで朱雀の舌とセンスが1ミリもわからん。)」


    そんなたわいもない会話をしていた2人の前に突然


    ガッシャン!

    蒼天朱雀「何?!」

    牙王白虎「なんで花瓶が…?」

    頭上から花瓶が落ちてきたのであった

    咄嗟に牙王白虎は蒼天朱雀の前に立ち、蒼天朱雀を守るような姿勢に入っていたが誰がやったのか、どうして落ちてきたのかが理解出来ずにいた

    なぜならふたりが歩いていた道の横にある家には道側にベランダは無いし窓にも何も置いていない様子だったからだ

    牙王白虎「一体なんだこれは…」

    蒼天朱雀「どこかから風で流れてきた…わけないよねこんな重い花瓶だもの…」

    牙王白虎「…次何来るか分かんねえ、朱雀、俺から離れんなよ」

    蒼天朱雀「う…うん」

    先程の牙王白虎がぴょんぴょん走り回っていた時の状況とは一変して今度は牙王白虎が蒼天朱雀を守っていた

    蒼天朱雀は酷く怯えた顔をしていてぬいぐるみを先程よりも強く抱き締めていた

    しかし牙王白虎もそれは一緒で手が少し震えていた


    次の瞬間、牙王白虎の視界に謎のものが映った

    ボヤボヤしていて何も見えていないに等しいくらいだが白い帽子をかぶった黒いもの…のようなものが距離3mほどのところにいた

    牙王白虎「…あれ、なんだ…」

    牙王白虎がそういったと同時に蒼天朱雀もその物体をかなり朧気だが見ることが出来たようだった

    次にその物体が動いた
    それに共鳴するようにそこ一帯に強い風が吹いた

    牙王白虎「うっ…!飛ばされんなよ!」
    蒼天朱雀「わかってる!あんたも無理しないでね!」

    2人は悟った。あの物体が花瓶を落とし、この風を起こしているのだと

    牙王白虎「(俺たちじゃ何をすることも出来ねー…イチがバチかあの正体を確認しようにも近付くことできないし…)」

    牙王白虎が焦りの表情を見せ始めたその時

    リン…

    ほんの小さな音で鈴の音が鳴った

    その音は小さい音だが2人を安心させてくれた

    牙王白虎「なんの音…?!」

    牙王白虎が辺りを少しだけ見回した
    そして視界の隅に映った自分達を救う影を見つけることが出来た


    牙王白虎「!(誰か来てくれた…?!)」

    それは牙王白虎と同じ制服を着た長い銀髪を後ろに束ねた背丈の高い1人の男子生徒だった

    彼ははっきりと見えたため、怪異などの部類では無いことを理解した

    その男子生徒がぼやけてでしか確認できない黒い物体に向かって走った

    だが風があって容易に近づけずにいた

    そして男子生徒はいきなりしゃがみだし、彼の身長位の高さで跳んだ

    蒼天朱雀「!跳んだ……」

    牙王白虎「すげー跳躍力…」

    その身体能力の良さには2人も釘付けになってしまっていた

    そして男子生徒は黒い物体に向かって空から一直線に降下してひとつの御札を制服から取りだし、黒い物体に貼り付けた

    するとたちまち風はどんどん弱くなってやがて止んで黒い物体は頭上から薄くなって消えていった


    牙王白虎「…なんだったんだあれは…」

    蒼天朱雀「あんな風があったのによく一直線に降下出来たよねあの人…」

    牙王白虎「たしかに」

    2人はその退治した男子生徒が気になったようで男子生徒の元に向かった

    蒼天朱雀「あの!助けてくれてありがとうございます!」

    牙王白虎「ありがとうございます!」

    男子生徒「…礼には及ばない。お前達、少しでも怪異を見ることが出来るのなら…怪異には十分気をつけるんだな。」

    男子生徒は「怪異」というものを知っているようでそれを話しながら風で崩れた髪を少し直していた

    蒼天朱雀「怪異って…」

    男子生徒「先程の白い女だ。どうやらお前達には少しだけでも見えていたようだったしあの女に因縁をつけられているようだったから私は食べていたおにぎりを頬張ってここに来た。」


    牙王白虎「へ、へえ…わざわざありがとうございます…あの、さっきのあれ白い帽子を被った黒髪の女の人だったんすね」

    男子生徒「本当にぼやぼやとしか見えていないようだな…まあ、見え始めているということはこれからはっきり見えるようになる前兆だ。しっかり用心するんだ」

    そう言って男子生徒はその場を後にした

    蒼天朱雀「なんかあの人「怪異」?に詳しそうだったよね」

    牙王白虎「それに慣れてる感じした……」

    蒼天朱雀「これからもまた現れるかもしれないね…怪異…」

    牙王白虎「やだよ〜!あんな怖いのがずっと現れ続けるの嫌だ〜!」

    牙王白虎と蒼天朱雀は先程の参事に見舞われ、酷く疲れたのかその場にへたりこんでしまった

    牙王白虎「…疲れたし寮、帰るか…」

    蒼天朱雀「そうね…」

    怪異の正体、男子生徒の正体、蒼天朱雀のセンス、いまいち分からないまま時が進んでいくのであった
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