ビーストバース2 シャピロが休暇を取った日。基地内の自室で休んでいた彼の元を訪ねる者がいた。
「シャピロ、俺だ。開けてくれ」
聞き馴染みのある落ち着いた声に、シャピロは電子ロックに手を伸ばす。横にあるのは、個人の部屋としては過度に頑丈な金属扉だ。その堅牢さとは裏腹に、この男としては珍しく無警戒にキーを解錠した。
稼働音を立てて開いた扉の向こうには、髪の金糸を靡かせた青年が呆れ顔で立っている。
「…開ける前に少しは考えろ」
「アランか。来るのが貴様なのは足音で分かった」
そういう問題ではない。シャピロは素肌にバスローブを羽織っただけの姿で、到底客人を出迎える格好とは言いがたかった。わざとらしく溜め息を吐いて見せても、シャピロは一向に気にしないのか涼しい顔をしている。
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