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    gekiosu_ornn

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    gekiosu_ornn

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    書きたいところ書いたから終わり。すみませんでした

    ドッキリ!からくり屋敷!「暇だ!暇は嫌いだ!つまらない!」

    と突然駄々を捏ね始めたのはユウマグレ忍軍組頭の壱刃だった。彼は面白い事が好きで、面白くない事が嫌いなのである。つまり、最近やる事ないし事務作業面倒くさいし暇なのだ。事務作業があるから仕事はある訳なのだが、最悪弟達に押し付ければ良い。

    「そうだ町に行こう!柳田ぁ!町行こうぜ〜!」
    「仕事してください組頭…」
    「仕事は参樹がやってくれるって!こういう時に影武者って居ると便利だよなぁ!」
    「影武者の使い方間違えてますよ」
    「良いから行こうぜ!町!」
    「はぁ…人混みは嫌いだと言うのに……」

    柳田を連れて遊びに出掛けることにした壱刃。渋々ついて行く事になった柳田。壱刃は編笠を柳田にぽすっと被せると自身も被り、出掛けよ〜!と屋敷を飛び出した。仕方なく柳田も同行する。

    町は何も変わらずいつもの様に賑わっていた。すれ違う人達から顔を背けるように歩く柳田と、何か面白いものは無いかと辺りを見渡す壱刃。すると、町でちょっと怪しげ…もとい面白そうな子達を発見。あれはそう、忍術学園の生徒である。確か…と壱刃は頭の中の情報を漁る。そうだ、五年生だ。黒金真、卯佐擬泖人、根住透火、志摩宗一郎、獅宗大和、牙奴嘉右衛門、あと……なんちゃら玄善……なんだっけ。

    「なんか面白そうな予感!よっしゃ!ついて行こうぜ〜!」
    「組頭、自ら面倒事に飛び込んでいくの止めてもらっていいですか」
    「ひゃっほう!」
    「……聞いていませんね…」

    柳田が仕方なく壱刃について進んで行った。



    ━━━━━━━━━━━━━━━



    忍術学園の生徒達の後をつけていくととある屋敷の前で何やらコソコソしている。これは面白い予感!と壱刃は背後から声を掛けた。

    「君達、なーにしてんの?」
    「はーーっっほぅっっっっ!!!!」
    「何その叫びウケる」

    玄善の叫びに爆笑の壱刃。それを見て溜息を吐く柳田と、めちゃくちゃ顔をシワシワにしている卯佐擬。煩かったんだろうなぁ……と根住が欠伸をしながら見つめていた。と言うか、全然気付かなかった。

    「なになに、君達忍術学園の生徒だよね?ダメじゃん〜背後の気配に気付けなくちゃ」
    「気配消して居た人が何言っているんですか…」
    「えっと、何でも無いので関わらないで下さい」

    真の辛辣な言葉にえーんえーん、と嘘泣きをする壱刃。柳田が顔を顰めた。そもそも、柳田自身関わりたく無いのだが壱刃が関わりたいのであれば着いて行くしかないのだ。だから、柳田は嫌々来てますと言う雰囲気をわざと出す。

    「うちの組頭は我儘なんでねぇ」
    「そう俺、我儘なんだよね!」

    で?何すんの?と壱刃は勝手に会話の輪に入ってくる。しかしユウマグレ忍軍の壱刃はとんでもなく面倒くさい人物な事は五年生達も知っている。変に機嫌を損ねるのも面倒だし、まぁ変な事しないなら良いか…と話を始めた。

    どうやら五年生達は目の前のこの屋敷を調べるという事だった。この屋敷は人が居なかった筈なのに、いつの間にか住み着いている人が居るらしい。ふーん、と壱刃が聞き入る。要は、その人物を調査するのが今回の実習内容らしい。

    「面白そうだからついて行こーっと!いいよな柳田!いいって言え」
    「はぁ……良いですよ、えぇ…」

    と言う訳で、忍術学園の五年生達とユウマグレ忍軍組頭とその側近と言う不思議な組み合わせで屋敷に侵入する事となった。

    塀を超え、屋敷に侵入する。屋敷に入った途端ぱかり!と床が開いた。は?と各々が下を見る。見事に皆地下に真っ逆さまに落ちていった。

    「おぁぁぁぁぁぁぁあ!?!?」
    「ひゃぁぁぁ!?!?」

    こりゃぁ困ったね!と壱刃がけらけら笑っている。そのまま大和、玄善が地面に顔面から突っ込む。二人が倒れていると、その上に真と宗一郎が落ちる。むぎゃっ、と二人は見事に潰された。根住と卯佐擬と嘉右衛門は綺麗に着地し、壱刃と柳田も着地した。真と宗一郎はきゃぁ、とわざとらしく声を上げた。

    「「ごめーん!」」
    「「し、しぬ……」」

    壱刃がウケる〜!と笑っている。根住と卯佐擬が真と宗一郎に手を伸ばす。ありがと、と二人は立ち上がった。大和と玄善は腰を擦りながら起き上がり、辺りを見渡した。見事な地下通路だ。いつの間に作られたのだろうか。いや、そもそも一人で作れるレベルでは無いから元々あったのだろう。

    「こりゃすげぇな…」
    「相当落ちたね。上まで調べなくちゃいけないし、これは時間掛かるね」
    「…………」
    「卯佐擬?」

    卯佐擬がこつ、と壁を叩いた。こつ、こつ、こっ。一箇所だけ音が違う。玄善と大和がその壁に耳を当てる。途端、ぐるんっと隠し扉が回転した。またまた二人は真っ逆さまである。

    「またかよぉぉぉぉぉぉお!!!」
    「なんで俺らだけぇぇぇ!?!?」
    「あー、どうする?追っかける?」
    「いやぁ……これ坂になってるみたいだし、これ以上下に落ちるのも困るから放置する?」
    『普通何かあると思うでしょ、何してんのこの二人』
    「正論止めたげて」

    真と宗一郎が見捨てる判断をし、卯佐擬が矢羽音でボソリと呟く。嘉右衛門が卯佐擬の肩を叩いた。根住は既にうとうとしている。壱刃が二人の滑り落ちて行った先を見詰めると、おっと声を漏らした。何か響いている。それはどんどん大きく響いてきていた。

    ……ぉぉぉおおおおお!!!!!

    「うっわすげぇ!あいつら坂駆け上がって来てる!ぎゃははははは!!!」
    「やば、閉めろ閉めろ!」
    「早く早く!」
    「「閉めるなばかぁぁぁぁぁ!!!」」

    真と宗一郎が隠し扉を閉めようとするも虚しく二人は生還した。壱刃は腹を抱えて笑っている。柳田はこの茶番に早々に帰りたくなっていた。

    「し、死ぬかと思った……」
    「ああ言う坂って駆け上がれるんだ、初めて知ったよ」
    「お前らが扉閉めようとしたの忘れねぇからな……」

    既に瀕死状態の大和と玄善。座り込み大きく呼吸している横で真が笑っていた。扉を閉めようとしていたのに怖い奴である。二人は何とか息を整え、立ち上がった。その間、ずっと壱刃は笑っていた。全く助けようとしない酷い大人である。

    「よし、さっさと進むぞ!」
    「あっ」
    「えっ?」

    大和が歩き出すと、今度は嘉右衛門が声を漏らす。え?と大和が振り返ったが遅かった。

    ……ガコンッ

    「「「あっ」」」

    一歩踏み出した先の床が沈む。途端、大和の足元がまたぱかり!と開いた。ひゅっ、と息を飲む。落ちる大和を助けようと嘉右衛門が手を伸ばす。そして嘉右衛門に続いて真が手を伸ばし、宗一郎が手を伸ばし、玄善が手を伸ばし、玄善が根住を引っ張り、卯佐擬が手を伸ばす。あーらら、と壱刃が下を覗いた。

    「君達、持ってるねぇ〜」
    「本当に忍術学園の生徒なのか分かりませんねぇ」
    「ねぇ〜?」
    「卯佐擬!絶対手を離すなよォ!?」
    「んん……!」

    見事な宙ずり状態になった。卯佐擬が何とか壁を掴み、卯佐擬が足で根住を引っ掛け、その根住の腰を抱き締める形で玄善が掴まり、玄善の足に挟まれる状態で宗一郎が宙ずりになり、宗一郎の片手を真が掴み、真の片手を嘉右衛門が掴み、嘉右衛門の片手を大和が握り締めていた。大和の下は尖った竹。卯佐擬が何とか踏ん張っているお陰で助かっている状態だ。

    「待って待って!卯佐擬!お尻が!お尻が引っかかってる!!動かないで!!!」
    「大和、お前のお尻は尊い犠牲になったんだ!頼むから黙っててくれ!」
    「真それは無いだろ!?俺のお尻だぞ!?」
    「根住!お前今寝たらぶん殴るからな!」
    「黙ってて今眠気と戦ってるから」
    「死ぬ……」
    「……うる、さぃ……!」
    「「「「「卯佐擬が喋ったーーー!!!」」」」」
    「うるさっ…」
    「んんんんん……!」
    「アッ待って卯佐擬っ、アーーーーーッッッッッ!!!」

    ビリィ!

    尖った竹に引っかかった大和の下半身から悲しい音が響いた。卯佐擬の力で何とか全員引き上げられる。その間壱刃は爆笑して過呼吸気味になっていた。柳田が壱刃の背を摩る。大和はしくしくと泣いていた。

    「もうお嫁に行けないわ……!」
    「……っ!……!」
    「卯佐擬、卯佐擬。そんな責任感じなくていいから。罠引っかかったこいつが悪いから」
    「取り敢えず頭巾お尻に巻いとけよ」
    「えん……やま子になっちゃう……」
    「馬鹿野郎笑っちまったじゃねぇか」

    五年生達のやり取りを柳田が冷めた目で見つめていた。
    五年生達はわらわらと地下を進んでいく。何処かに上に上がる場所があるはずなのだが……。壱刃と柳田は後方で見守るだけ…では無かった。

    「それではここから面白そうなので実況を担当致します、ユウマグレ忍軍組頭の壱刃です!そしてこちらが解説の柳田!柳田さん、今五年生達は上に上がる為の方法を探すのに必死ですがどうでしょうか?」
    「今すぐ帰りたいです」
    「ダメです」
    「あ、あれじゃない?天井にちょっと隙間がある!」
    「隠し階段だ!」
    「流石だぜ宗一郎!」
    「おーっと、ここで五年生!漸く隠し階段を見つけたー!」

    壱刃はノリノリで柳田を引っ張って行く。特別手当申請しよう、と密かに柳田は思った。


    ━━━━━地下二階からの脱出である。


    五年生達は何とか隠し階段を見つけ上へと上がって来た。漸く進展である。

    「まだ地下なのかな……」
    「多分…?」
    「ミ゚ッッッッッ」
    「えっ?」

    背後から小さな小さな悲鳴が聞こえた。真と宗一郎が振り向けば、卯佐擬の胸から下が地面に埋まっている。落とし穴に引っかかったのだろう。万歳をしてプルプル震えている卯佐擬がまるで小動物のように見えた。

    「卯佐擬可愛い〜!小動物みたいに震えてる〜!」
    「さっきの声もう1回聞きたーい!」
    「助けてやれよ可哀想だろ」

    玄善が卯佐擬を引っ張る。実況の壱刃はげらげら笑っていた。さて、卯佐擬を助け出した各々は辺りを見渡す。多分また隠し階段等があるだろうからそれを探していた。真っ直ぐと続いている廊下を歩いていると、とある部屋で行き止まりになっていた。部屋に入り見てみると、壁に何か書いてある。

    「なになに……『代表者一名が前に出て紐を引け』?紐ってこれか」

    真の言葉に大和と玄善が嫌そうな顔をした。これ引いたら絶対桶が落ちてきて頭に当たるやつだ、知ってる。宗一郎や嘉右衛門も察したのか二人して真の背を押した。やれという事だ。卯佐擬は寝ている根住を静かに後ろに引っ張り玄善の後ろに隠した。

    「えー、僕ぅ?絶対嫌なんだけど…」
    「頑張れ真!」
    「お前なら出来るぞ真!」
    「何その謎の声援」
    「おっと決まった様です!明らかに罠であろう紐を引くのは黒金真ぉ!」
    「組頭煩いです」
    「はぁ……」

    仕方ないなぁと真が前に出て紐を引っ張った。ガコンッ、と何かが作動した音は聞こえたが、何も起こらない。真は首を傾げた。なぁんだ、何も無いじゃないかと後ろを振り向けば……

    ごっごっごっ!綺麗に三つの桶が大和、玄善、根住の頭に落ちてきた。根住がはっと起きる。

    「「いってーーー!!!!」」
    「ふがっ……夢……?」
    「もう一回当たりたいのかな?」
    「ぎゃははははは!!!紐引いてない奴の所に落ちてきてるじゃん!!!考えたなここの奴!!!」

    宗一郎と喜右衛門、卯佐擬が静かにガッツポーズをした。すると桶が落ちた所から上に上がれる様に紐が垂れている事に気がつく。はいはいじゃあ行きましょうね〜と真が頭を押えている三人を押しながら先へ進んで行った。


    ━━━━━地下一階からの脱出である。



    多分ここは最初の場所だろう。未だ開きっぱなしの床を慎重に避けて通り、各々はまた辺りを見渡した。今度は正面に階段がある。他に仕掛けらしいものは無さそうだった。壱刃が楽しそうに実況をする。

    「どうやら何も無いようですねぇ!目の前はただの階段!でも何かあったら嫌だよねぇ!だから五年生達は誰をまず行かせるか話し合ってます!どうですか解説の柳田さん!」
    「帰りたいです」
    「ダメです」

    じゃーんけーんぽんっ、と声が揃った。壱刃達の前に出たのは宗一郎である。他の面々はいえーいと後ろでどんちゃんしていた。完全に面白がっている。

    「よし、私の勇姿をしかと見よ!」
    「おぉ!志摩宗一郎、階段を駆け上がりました!」

    バタンッ!ズルズルズルズル……!

    「ふぎゃーー!!!」
    「だっはっはっはっはっ!!!!残念!階段は坂に変わり志摩宗一郎は顔面を強打!滑り落ちます!」
    「ふぐぅ…何も無い訳が無かった……」

    宗一郎がべそべそと泣く。卯佐擬が階段裏を見れば、そこには普通に梯子があった。

    「帰りたい…」

    柳田の願いが届く事は無く、次の階へと進んで行く。


    ━━━━地上一階からの脱出である。


    そこはまた広い場所だったが、廊下が続き、部屋がぽつんとあるだけだった。またもやじゃんけんの登場である。今度は玄善が負けたので、先に部屋に入る事になった。玄善が部屋に入るが、特に何も見あたらない。

    「卯佐擬その扉抑えて」
    「ん」

    スパァンッ!

    「おぉい!?扉が閉まったぞ!?あかっ、開かねぇ!?そっちはどうなってる!?」

    玄善が扉の隣にある小さな窓から声を掛ける。真が真剣な顔で声を上げた。

    「玄善!そこは接吻しないと出られない部屋だ!」
    「そうか接吻か!……って俺一人でどうやってやればいいんだよぉぉお!!!!」
    「あはははは!!ひーー!!!!げほっおぇっ!」
    「おい!誰でもいいから小窓に近づけ!接吻しろ!」
    「いやーーケダモノーーー!!」
    「ふざけんな!てかこれ抑えてるの卯佐擬だろ!?ふざけんなこら!!!」

    接吻しないと出られない部屋に閉じ込められる玄善。1人でどうしろってんだよ!!!!と頭を抱えている。それを見て全員がげらげら笑っていた。あの柳田ですら肩を震わせている。卯佐擬の力に勝てる筈も無く玄善は接吻するしか無かった。考える。一人でどうしろと?壁か?壁とすれば良いんか???

    玄善は手で狐を作ってくっ付けた。ひー!ひー!と五年生達と壱刃は笑い、笑いが収まってから漸く扉を解放してあげた。玄善はちょっと泣いてた。







    書きたいところ書いたから終わりだよ!ごめんね!!


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    gekiosu_ornn

    MOURNING戦闘シーン書けませんでした土下座。不完全燃焼で本当に土下座。
    ユウマグレ忍軍現る「いやぁ、助かったよ白羽丸!」
    「ううんこちらこそ。図書委員会からの申し出凄く助かったよ」

    ━━━━━町外れを歩く姿を確認、影は複数、幼い子供が殆どでしょう。少し背丈のある子供も居ます……如何致しますか?
    ━━━━━まだ様子を見ろ。
    ━━━━━御意。

    夕暮れ時、複数の子供達が荷物を抱え歩いていた。忍術学園の生徒達だ。長期休みがそろそろ終わる今日、図書委員会六年の弦一郎は保健委員会六年の白羽丸にある話を持ちかけた。それはお互いの委員会は予算が少ないが図書委員会は薬草等の医学書を購入する予定なので、保健委員会には期限無しで貸出出来るようにするから折半しないかというものだった。保健委員会としても医学に関する書物は下級生の育成の為にも欲しいと白羽丸がそれを了承し、今日こうして皆で買いに来ていたのだ。ついでに弦一郎が図書委員会の面々……特に五年の玄善がよく保健委員会にお世話になっているからと必要な包帯等の買い物も折半してくれた。保健委員会としては今日程幸運な日は無い。玄善はちょっと納得のいかない顔をしていた。
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