【スミ⇄イサ】運命の人「ルルはスミスのこと、好きか?」
なんて、そんな分かりきったことを唐突に聞いてくるものだから、ルルの返答は逆に数秒遅れた。
「……ルルはスミスもイサミも好き。大事」
イサミはイサミで、それを分かりきっていたと言わんばかりに「そうか」と即答した。
「そう」
「……だよな」
「ガピッ」
それから会話は途切れて、しばしデッキで海風に吹かれるだけの二人になる。
人類を救ったヒーローたち。イサミ、スミス、ルルの三人は、その功績を称えられたあと、長い休暇が……半ば強制的な世界一周豪華客船の旅が与えられた。今はその真っ最中だ。目的はもちろん、過酷な立場におかれていた三人をねぎらい、休ませることだった。しかし三人を見送ったなかには、別の思惑を持つ者もいたとか、いなかったとか。
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