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    torirakugaki

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    高間晴

    DOODLEチェズモク800字。年下の彼氏のわがままに付き合ったら反撃された。■月と太陽


    「あなたと、駆け落ちしたい」
     ――なんて突然夜中に年下の恋人が言うので、モクマは黙って笑うと車のキーを手にする。そうして携帯も持たずに二人でセーフハウスを出た。
     助手席にチェズレイを乗せ、運転席へ乗り込むとハンドルを握る。軽快なエンジン音で車は発進し、そのまま郊外の方へ向かっていく。
     なんであんなこと、言い出したんだか。モクマには思い当たる節があった。最近、チェズレイの率いる組織はだいぶ規模を広げてきた。その分、それをまとめる彼の負担も大きくなってきたのだ。
     ちらりと助手席を窺う。彼はぼうっとした様子で、車窓から街灯もまばらな外の風景を眺めていた。
     ま、たまには息抜きも必要だな。
     そんなことを考えながらモクマは無言で運転する。この時間帯ともなれば道には他の車などなく、二人の乗る車はただアスファルトを滑るように走っていく。
    「――着いたよ」
     路側帯に車を停めて声をかけると、チェズレイはやっとモクマの方を見た。エンジンを切ってライトも消してしまうと、そのまま二人、夜のしじまに呑み込まれてしまいそうな気さえする。
     チェズレイが窓から外を見る。黒く広い大海原。時 818

    高間晴

    DONEチェズモクワンライ、「三つ編み」。■永久の約束


    「モクマさん、私の髪をみつあみにしてもらえませんか」
     寝床を共にするようになって、数ヶ月経ったある朝。ベッドから起き上がり、自分の髪を櫛で梳かしながらチェズレイが言った。それにどう反応していいかわからずモクマが隣で驚いた顔をする。
    「えっ……えっ?」
     その声を聞いて、チェズレイは眉尻を下げて瞳を潤ませるとモクマの顔を見つめた。
    「モクマさァん……」
    「うっ、お前さんその顔したらおじさんが何でもしてくれると思っとらん?」
     怯んだ様子でそう言えば、ベッドの上、シーツにしわを寄せてチェズレイがにじり寄ってくる。じり、と近づかれてモクマは小さな悲鳴を上げた。こちらを見つめてくるアメジストの瞳は、朝のたまご色の光を反射してきらきら輝いている。
    「思っていますが、何か問題ありますゥ?」
     そう言われてしまっては返す言葉がない。モクマは、はーっと肺から空気を押し出すようなため息をつく。それから顔を上げると両手でチェズレイの頬に触れる。壊れ物を触るような手つきだった。チェズレイは以前にも髪を切ってほしいなどと無茶振りをしてきたが、またかといった感じだ。
    「お前さんには隠し通せな 1844