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    高間晴

    @hal483

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    高間晴

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    チェズモク800字。モクさん不在でチェズとルクの会話。

    #チェズモク
    chesmok
    ##BOND

    ■結婚妄想


    「なあ、チェズレイってモクマさんと付き合ってるんだろ?」
     キッチンで夕食の支度の手伝いをしながらルークが訊いた。五人分の皿を食器棚から取り出している。
    「ええ。そうですが何か?」
     まな板の上の食材を包丁でトントンと軽快に切りながら、チェズレイはこともなげに答えた。たぶんアーロンからルークの耳に入ったのだろうと予測する。
     ルークは持ってきた皿を置くと、目を輝かせてこう言った。
    「モクマさんのいいところっていっぱいあるけどさ、決め手はどこだったんだ?」
     チェズレイはほんの少しの思案の後に、至福の笑みを浮かべた。
    「全部、ですかね」
    「そっか~!」
     ルークもつられたように、嬉しそうな満面の笑顔になる。チェズレイはそれが少し不思議だった。
    「どうしてボスは、今の私の答えで喜ぶんですか?」
    「だって、モクマさんって僕の父さんみたいな人なんだもん。そんな自分の家族みたいな人のことを、手放しで好きだって言ってくれる人がいたらそりゃ嬉しいよ」
     ルークのきらきらするエメラルドの瞳が細められる。それを見てチェズレイは、モクマに対するそれとはまた別の「好ましい」と思う気持ちを抱いた。本来ならあるはずのない母性本能がくすぐられる。
    「本当にボスは可愛らしいですね。モクマさんが父親なら私がボスの母親ですよ」
    「あ、あのなぁ……僕これでも君と二つしか歳違わないはずなんだけど」
     でも、と言葉を切ってルークが顔を引き締める。
    「もしも式挙げるんだったら呼んでくれよな! 絶対行くから」
     その言葉にチェズレイは硬直する。考えてもみなかった。一瞬の間で脳裏にパノラマの如く鮮明なヴィジョンが広がる。お互いに白いタキシード姿のモクマと二人、手を取り合って花びらの撒かれる教会前の階段を降りていく――。
    「えっ、チェズレイ? どうかした?」
     心配するルークの声に、鮮やかな笑みで答える。
    「ボス。素敵なご提案ありがとうございます。式の日取りは決まり次第連絡いたしますね」
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