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    高間晴

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    高間晴

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    チェズモク800字。敵アジトに乗り込む当夜の話。

    #チェズモク
    chesmok
    ##BOND

    ■愛は勝つ


     とある国に拠点を移したチェズレイとモクマ。敵アジトを見つけ、いよいよ今夜乗り込むこととなった。「ちょっと様子見てくるわ」と言い置いて、忍者装束のモクマは路地裏で漆喰の白い壁の上に軽く飛び乗ると、そのまま音もなく闇に消えていった。
     そして三分ほどが経った頃、その場でタブレットを操作していたチェズレイが顔を上げる。影が目の前に舞い降りた。
    「どうでした?」
    「警備は手薄。入り口のところにライフルを持った見張りが二人いるだけ」
    「そうですか」
     ふむ、とチェズレイは思案する顔になる。
    「内部も調べ通りなら楽々敵の首魁まで行けるはずだよ」
     振り返って笑う顔がひきつる。その太腿に、白刃がいきなり突き立てられたのだから。
    「なッ……」
    「それじゃあ、今日のところはあなたを仕留めて後日出直しましょう」
     チェズレイは冷ややかな声で告げると、突き立てた仕込み杖で傷を抉った。
    「ぐっ……なぜ分かった……!?」
    「仮面の詐欺師である私を欺くなんて百年早いんですよ」
     それ以上の言葉は聞きたくないとばかりに、チェズレイは偽者の顎を下から蹴り上げて気絶させた。はあ、と息を吐く。
    「モクマさん。見てないで出てきたらどうです?」
    「ありゃ、バレた?」
     今度は本物のモクマが壁の上からチェズレイのところへ降りてきた。
    「いや、俺のそっくりさんがお前のところ向かったのが見えて、どうなるかと思ってたんだけどさ」
     足元に転がった偽者のマスクを剥がすと、案の定モクマとは似ても似つかぬ男の顔が現れた。
    「変装技術は及第点でしたが……
     私たちの絆を見くびってもらっては困る、といったところですかねェ……」
    「そう言われるとおじさんドキドキしちゃう」
     恍惚とした顔で舌なめずりするチェズレイを茶化すモクマ。一瞬で素の顔に戻ると、気を失っている偽者を後ろ手で縛り上げ、肩に担ぐ。
    「ゴミ捨て場にでも転がしとこうかね」
    「そうしましょう」
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