呪いにかけられた、この身体(途中)魔法石のメンテナンスという任務は蓋を開けてもみれば騎士団の仕事以上に大変なものだった。
エイトと出会ってからようやっとコントロール出来つつある魔法は力加減を間違えれば簡単にオーバーヒートしてしまう。
幼い頃から「大魔法使い」というもの、「眷属」というものについては幾度となく聞かされてきたエドモンドであったが、聞くのと実際に就いてみるのとでは大きく違うもので、最近は頭を抱える事も多かった。
任務の最中は魔法攻撃を受けて服が吹っ飛ぶし、そもそものことセックスで魔力を回復するだなんて、そんな馬鹿げた話は一度だって聞いた覚えはない。
どうして父や母は教えてくれなかったのか。知っていたなら医者を呼んででも、この手にのしかかる宝石を取り除いて貰っていたのにと唇を噛み締めたところで、そんな馬鹿げた話を父や母が自分に話すわけはないし、そもそものこと知らなかったのかもしれないと肩を落としたエドモンドは今日も自身の手の甲についた宝石を恨みがましく眺めるしかなかった。
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