ゲーム「ずるい」
「こんなんで本気になるなよ」
「だってさ、レッドの方が手、大きいし。操作しやすいから有利なはずじゃん」
「だがこの手の空間認識能力はお前の方が優れてる、だろ?」
「そうだよ。だからボクがこんなに負け続けるの、おかしいよ。ちょっと手が大きいからってずるくない?」
「手の大きさだけで勝ってるってワケじゃない。こういうのは勘と経験がものを言うんだよ、特にこの手のゲームはな」
「経験とか言ったらボクはいつまでもレッドに勝てないじゃん!」
「そうかもな」
「んんんん。もう一回! もう一回だけ勝負して!」
「そりゃいいけどよ、お前ここまで四回……五回か? 負けた分の賭けはどうするつもりだ」
「う。それは後で払うよ。ていうか何させるつもりなのか聞いてないし」
「別に何も考えてねえよ。負けるとも思ってなかったからな……決まりきった勝負じゃ、賭ける気にも起きねえだろ」
「そんなこと言ってー、ホントはボクにいやらしいことさせる気なんじゃないの」
「……バカか? そんなこと思いつきもしなかったぜ」
「そうなの? ほんとに? ちなみにボクは勝ったらなんかやらしーお願いしようと思ってたんだけど」
「本っ当にお前はバカだな。次も絶対負けねえよ」
「ふふん。今ので動揺したレッドは操作をミスって次の勝負でボクに負ける! あるいはわざとボクに負ける。ボクって策士だなー」
「いいから早くコンティニューしろ。一週間ぐらい雑用でこき使ってやる」