『シスターマーガレット』
修道女なんて名前が付いている看板を提げている店だが勿論そんな厳かな場所じゃない。
神様に懺悔なんてものをするには程遠い荒くれが集まるこの辺りではありきたりなBAR。
鈍く光る鉛玉をぶっ放す玩具を引っ提げて酒を浴びる薄暗く濁った空気が漂うそんな場所で、カウンターの真ん中を陣取り座るフードとキャップを目ぶかに被った男とこの場に不釣り合いな休日のお父さんともいえるデニムズボンにチェックのシャツを羽織った男が店の眼鏡マスターに酒を注文していた。
「ブロウジョブ…と言いたいとこだけど今日はいい。いかにもバーボンとかウォッカ顔なコイツに甘々なピンクのカクテル作ったげて」
「テメェが飲め。俺は今日は休肝日だ」
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