リッパーにとって……一人で居ることはごく普通のことであった。
幼少期からずっと一人であった彼は一人で居ることに慣れてしまっていた。
隣に誰かがいることが当たり前と言うことはリッパーにとっては普通ではなかったから。
けれど、最近……リッパーの部屋に一人の少年が入り浸るようになった。
水色髪の青い瞳をした……顔立ちの良い少年。
誰もが振り向くだろう美しさを持っている、正義感が強い少年。
少年がリッパーの部屋に居るようになったのはコンプレックスの件が終わってからだろう。
部屋に来ては本を手にとって冷たい石板の地面に座って読み始める。
何故、ここに来るようになったのかを聞けば、「……暇だから」と平然とした顔で返されてしまう。
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