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    ruosp_ble2

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    体調を崩した道の小話
    ※道旬道
    ※嘔吐するとこあるので注意
    勢いで書き出したので誤字見つけ次第修正します

    「最悪だ、せっかくの休みだってのに…」

    起きた時から頭痛がして寝ていても一向に治らず諦めてベッドから出て薬を飲もう部屋を出る

    (まずなんか食わないとな…でも吐いたとき面倒だし、試しになんか飲んでみるか…)

    水分補給をしソファに座って様子をみる
    寝てる間にかいていた汗がクーラーの風で冷えて少しだけ肌寒い

    「……いけるか?」

    何ともなさそうなのでソファから立ち上がって動いてみる、すると胃の中でぐるぐるとした感覚がしてじわじわと冷や汗が出てくる


    (あ、だめだわ)


    吐く、そう思いながら落ち着いてトイレに向かいしゃがみ込む
    案の定、吐き気が込み上げてきてそのまま嘔吐する

    「ぉ、う"ぇ」

    何も食べなくて正解だった

    吐くものも無いのに気持ち悪さがおさまらず、続けて胃液も吐き出すと鼻腔の方へ少し入り込んだらしく呼吸がし辛くなり涙が出てくる
    タイミングをみて浅い呼吸を繰り返しその合間にも嘔吐する

    「っひ、ゅ……ぅ、え…っ」

    胃の中のものを全て吐き出し、ようやく落ち着く
    もう大丈夫そうなので水を流し洗面へ向かう
    今の数分だけで全身汗が滲み出てベタついて気持ちが悪い
    コップに水を注ぎ口の中をゆすぎ念入りにうがいをする
    チラリと鏡を見ると酷い顔色をした自分と目が合う

    (マジで最悪な休日)

    口の周りも軽く洗い流して部屋へ戻る



    (水分も受け付けないんじゃ薬も飲めやしない、とりあえず横になってるか…)

    クーラーの冷たい風が嫌に寒く感じて送風に切り替えてから薄めの毛布をかぶりベッドに横になる
    暑いのか寒いのかよくわからなかった

    (こんなときはあったかくした方がいいんだっけ?涼しくした方がいいんだっけ…)

    寝相が定まらずモゾモゾと寝返りをうち毛布を被ったり足を出したり色々と試す
    結局は毛布からはみ出た部分が肌寒く感じてすっぽりと毛布をかぶって丸く縮こまる体勢に落ち着いた

    (寝てりゃそのうちよくなる…)



    その後も何度か体勢を変えて浅い眠りを繰り返していると枕元の端末から通知音が鳴る
    薄く目を開けて確認すると旬からだった

    『家いるだろ?』

    まだ事前に確認してくるだけマシだが今はそんな気分では無いのでとりあえず返信をする

    『体調が最悪だからくるな』

    すぐに既読がついて返信がくる

    『まじか?面白いじゃん行くわ
    なんか欲しいものあるか?』

    は?まじかこいつ
    でもまぁ、僕もコイツが体調不良になってたら面白いと思うから理解はできる
    何か買ってきてくれるならそれは都合が良いのでパシリに使うことにする

    『飲み物とゼリー』

    簡潔に伝えると『OK』というスタンプが送られてきた
    端末の画面を見ていたせいでまた頭痛が酷くなってきたのを感じて端末をポイっと投げて枕に顔を埋める
    目を閉じているだけでもいくらかマシになる

    来るならさっさとくればいい

    そう思いながらまたウトウトと浅い眠りを繰り返す


    しばらくして玄関の扉が開いた音で目を覚ます
    時計をチラリと見ると午後4時を過ぎたくらいだった
    その後冷蔵庫に何かをしまうような音
    そして足音がそのまま部屋に近づいてきて扉を開ける

    「うわ、この部屋あつ…マジで体調悪いんだな」

    部屋に入ってきた旬の開口一番がそれだった
    特にそちらへ視線も向けずにベッドで丸く寝たまま言葉だけを返す

    「声でかい…体調最悪って言っただろ…」

    自分では肌寒いと思っていたが部屋は大分生温い温度になっていたらしく、良くない と思った旬が「換気する」と言ってカーテンと窓を開ける
    外の少しの光が眩しくて寝返りをうち顔を隠す


    「熱は計ったか?」

    「…計ってないよ、頭痛いだけだから…」

    「そうか、あ、これ飲み物とゼリーな、何も食べてないんだろ」


    ベッドの横にしゃがみ込んで今度は控えめな声で話しかけてきた旬がそのまま手を伸ばしてきて、何度も寝返りをうってボサボサになっていた道門の前髪を梳かしながら顔色を伺おうとする

    病人を気遣うような妙に優しい手つきに調子が狂いそうになるが、突っぱねる元気も無いのでそのままさせてやる


    「顔色悪いな、こんな部屋にいたらそりゃそうなる」

    「僕としてはちょうどよかったんだけど…」

    「まじの体調不良だな」


    だから何度もそう言ってるだろという顔で旬を睨みつけてやる
    特に気にしない様子の旬は買ってきたペットボトルの蓋を開けてストローを差して道門に差し出す
    上体を少し起こして素直にそれを受け取り一口だけ飲んでサイドテーブルにペットボトルを置く


    「もっと飲めよ」

    「…また吐くかもしんないから様子みてんの」

    「なるほどなぁ」


    飲み終えてまた毛布を被り直す、旬の視線がこちらを向いていて全く落ち着けず背中を向ける


    「金は後で払う、なんなら財布から持っていっていいからもう帰って」

    「えー、弱ってるアンタはレアで楽しいからまだ帰らないよ」

    「君って……、はぁ…いいやもう…」

    「汗かいただろ体拭いてやるか?」

    「そこまでしなくていい、どうせ夜にはシャワー浴びれるくらいにはなってる」

    「あっそ」


    妙に看病慣れしている様子にコイツの家族構成を思い出し納得する、妹との2人暮らしが長いからよく看病したりもしたのだろう
    まぁそんなことはどうてもいいが…


    「ゼリー、食べれそうなら食べろよ、あとなんかあったかいの作ってやるから、今作っていいか?後でにするか?」


    飲み物を飲んでこいつと会話していても胃の気持ち悪さも起こらないのでそろそろ何か食べてもいいのでは…と思えてくる
    実感はないが朝から何も食べていないので空腹であることは確かだった


    「なんか柔らかくてあっさりしたものなら、食べてやってもいい…」

    「ふは、すごい上から目線、いいよ、待ってな」


    そう言って部屋を出ていく旬の背中を横目で見送る
    この歳になってから体調を崩すなんて滅多に無くて自分でも何が正解なのか分からなくなるが、なんとなく、少しだけ、旬が来てくれて助かった、と思ってしまう自分がいて嫌な気分になる、それを、体調を崩して弱っているせいだと、思うことにして、また目を閉じた
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