番になるまで「兄さまに番ができるなんて思わなかった!」
ぼーっとしていた俺はフィンの一言で気がついた。そうだった。俺はマックスと番になったんだ。
勿論相手は伝えていない。「番ができた」ただそれだけを伝えた。
…そういえば、両親が亡くなった後、俺ら二人はΩという理由だけで暴力などもされてきた。だからそういうことには恐怖しかない。たから驚いたんだろうな。
「どういう経緯でなったの?」そう聞かれた際、どう答えればいいか迷った。だがこのまま答えないと誤解されてもおかしくない。「アイツとなら、大丈夫だと思った」と伝えた。そう言えばフィンは「兄さまが安心できる人なんているんだ…」おいそれどういう意味だと心の中で思いながらも話していた。
…番になろうと言ったのはマックスからだ。言われた時は動悸が激しくなった。過去のフラッシュバックだ。それを察したのかマックスは抱きついたと思ったら「大丈夫だ。俺はそんなことは絶対にしない。」と言ってくれたため、動悸はおさまった。
番になったことは先生にも、魔法局の奴らにも伝えていない。多分言ってしまったら大ニュースだ。とんでもないことになる。
それがずっとフィンにも影響が出そうなため言っていない。
まぁ、アドラにも番の奴らはいるが、そう多くはない。…俺がΩとバレるのも時間の問題かもしれん。