「そうか、それは頑張ったな」
そう言いながら、コンボイ司令官は僕とチップとカーリーの頭を指先で優しく撫でてくれた。
もう頭を撫でてもらって喜ぶような年齢ではないけれど、でもコンボイ司令官なら話は別だ。
父さんよりもずっとずっと長い時を生きる、尊敬する皆のリーダー。
コンボイ司令官は次にバンブルとクリフの頭を撫で、その後にサンストリーカーとランボルの頭を撫でた。
みんな恥ずかしがりながらも嬉しそうだ。
そうして最後にマイスター副官の頭を撫でた。
マスクがあるからはっきりとは分からないけれど、たぶん慈しみに満ちた笑みを浮かべて。
マイスター副官の顔が笑顔のまま固まっている。
ねえマイスター副官。
その、元気を出してね。
コンボイ司令官はマイスター副官のこととても好きだと思うよ。
そりゃあちょっと、好きの方向性は違うかもしれないけれど……。
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コンボイ司令官は人間の文化を学ぼうと頑張っている。
今日は地球式の洗車について、僕とチップとカーリーの4人で学んだ。
学んだら実践あるのみだ。
ビークルモードになったバンブルとクリフを洗車し、その次にサンストリーカーとランボルの洗車をする。
みんなピカピカになって、気持ち良いと喜んでいる。
その後、コンボイ司令官は偶然やってきたマイスター副官を手招いた。
ビークルモードの体に沢山の泡を乗せられ、優しく洗車スポンジで擦られているマイスター副官は少し震えている。
たぶん、いや、間違いなく何かを耐えている。
ごめんね、マイスター副官。
本当に何も悪気はなかったんだ。
ええと、コンボイ司令官を止めなかったこともごめん。
皆の役に立てて嬉しそうにしている司令官を止めづらくて……。