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    M_D_210

    @M_D_210

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    M_D_210

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    2024/11/29 開催のWebオンリー「運命のくじ引き」にて開催していた拘束兄さん企画に出せていただいたもの その2です。
    ペパマリ兄さんを画鋲で留めて標本風にするだけ。モブ視点なので注意。

    大事に大事に【ペパマリ兄さんを画鋲でとめる話】
    ※注意!
     ・モブ視点
     ・貫通描写(グロは無し)
     ・原作舞台ではない謎世界

    ──────

     マリオを捕まえた。

     本当に意味がわからないと思うが、まあ聞いてほしい。今朝本を読んでいたらいきなり中からペラペラのマリオが飛び出してきたのだ。そのままジャンプでどこかへ跳び去ろうとしていたので、思わず手でバン!とやったところ上手いこと捕まえてしまったというわけである。つまり私も意味がわからない。
     ペラペラのマリオは手のひらより少し小さいくらいで、どうやって動いているのか不思議なほど普通の紙みたいだった。私が指で挟んでいるせいで逃げられず、短い手足をばたばたさせている。可愛い。
     しかしどうしたものか。せっかく捕まえたのだから逃がすのも勿体ない気がするし、かといってずっと摘んでおくわけにもいかない。手を離したらすぐにどこかへ行ってしまいそうだ。うーむ。
     色々考えた末に、私は先日読んだ図鑑を思い出す。そうだ、標本みたいに留めておけばいいんじゃないか?そうしたら逃げられないだろうし、綺麗に飾っておける。うん、いいアイデアだ。
     …こんなことを言うとサイコパスだなんだと謗りを受けてしまいそうだが、だってどうしても逃がしたくなかったのだ。もう二度とこんな機会なんて無いだろうし。それに多分、この話を聞いてくれるような人はそういうマリオが見たいんじゃないかとも思う。

     ともかく、私はマリオをそういう風に捕まえておくことにした。といっても標本の作り方なんてわからないので見よう見まねである。
     丁度よく持っていたコルクマットを持ってきて、摘んでいたマリオをそこへ押し付ける。マリオは暴れ疲れたようで大人しくしていたが、コルクに押し付けられたことでまた手足をばたつかせ始めた。けれど胴の辺りを人差し指で押さえてしまえばもう動けないようだ。何度も世界を救ってきたヒーローが指一本で押さえ込まれてるなんて、なんだかちょっと面白い。
     私は画鋲をひとつ持つ。…が、暴れているせいで刺したい場所に狙いを定められない。ちょっと考えてから、中指で胴体を、人差し指でマリオの右腕を押さえてみた。うん、しっかりと固定できた。
     画鋲を見たマリオは私が何をするつもりかわかったのか、ビク!と目を見開く。無表情だと思っていたが、意外とわかりやすいみたいだ。
     私は何度か画鋲を当てて場所を決めた後、一気に押し込んだ。鋭い針は紙の身体を貫き、マリオの小さな右手はきっちりコルクマットへ固定される。片腕を動かせなくなったマリオは、どうにか逃げようと手を引っ張っていた。どうやら痛くはないみたいで安心する。何度も挑戦しているが、画鋲はきっちりと固定されて取れない。破って逃げられる心配も無さそうだ。針を通す時はまるきり普通の紙だったのに、自分で破くことはできないらしい。なんだか不思議な構造をしている。
     とにかく、この方法で問題なさそうだ。もうひとつ画鋲を手に取って、同じ要領でサクッと左手も留める。
     両腕を真横に伸ばして留めてしまったので、マリオはもうすっかり動けなくなってしまったようだ。ペラペラの頭を左右に振ったり足をぱたぱたとばたつかせたりしているが、深く刺さった針はビクともしない。
    これ以上の拘束は必要ないような気もするが、一応標本という体なのでまだ終わりではない。やはり見栄えは大事だし、それに念には念を入れておきたいし。
     マリオは相変わらず足をばたつかせていたけれど、両腕を固定されているのでは残念ながらなんの意味もない。ペラペラの紙がはためいていたところで押さえつけるのは簡単だ。足の方は見た目よりも力が強くてちょっと驚いたが、2本の指でぐっと押さえるだけで簡単に押し止められてしまった。
     そのまま右足、靴のあたりに画鋲を刺す。自分の体を針が貫くというのはどんな気分なんだろうか。私は紙ではないのでわからないが、マリオは画鋲を刺される時だけビクリと身体を強ばらせる。やはり不快なものなのだろうか、痛くはないみたいだけれども。そんなことを考えながら、左の靴にも画鋲を押し込んだ。

     よし、こんなものかな。私は満ち足りた気持ちで完成した標本を眺める。
    手足をすっかり固定されてしまったマリオは、困惑したような顔でこちらを見上げている。どうしてこんなことをするのかとでも言いたげだ。その表情がなんだか無性に愛おしく思えて、私はこの標本を大事に大事にしようと決めたのだった。
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